今年のベスト1はどの作品!? 「エル シネマ大賞2017」ランキング発表
2017/12/20(水)
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 『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』より(c)2016 Jackie Productions Limited

第16~20位

『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』『新感染 ファイナル・エクスプレス』『たかが世界の終わり』 『ありがとう、トニ・エルドマン』 『メッセージ』

第16位『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』

強い女性ブームの真っ只中だと思うが、その火付け役になったのがナタリーポートマンではなかろうか。女性の強さの本質的を辿ると、「聡明さ」に突き当たる。正に今回もそれを演じてくれたと思う。女性の強い視線は、なによりのファッションだなと思う。(清塚信也/ピアニスト)

とにかくナタリーポートマンの生生しい演技に引き込まれました。そしてホラーとミステリーのような筋書きも、今までのケネディ一家のイメージと真逆で面白かったです。(シトウレイ/フォトグラファー、ジャーナリスト)

ナタリー・ポートマンがとにかく素晴らしくて3回観ました。話し方やしぐさを本当によく研究しています。悲哀の時間が長く、勝手なイメージを裏切られつつも目が離せない映画。予備知識を持って観ると会話の深さに唸ります。(中野 光章/「バーニーズ ニューヨーク」セールスプロモーション チーフマネージャー)

 

第17位『新感染 ファイナル・エクスプレス』

ゾンビ映画に苦手意識があったが、高速鉄道の車内という限られた中での、乗客の家族愛や仲間との絆や欲を描いた心理描写の濃密さが見事で、涙腺が緩む。ゾンビのグロテスクさも瞬間の連続で、過剰でないのが良かった。(伊藤なつみ/音楽ジャーナリスト、編集者)

新幹線という密閉空間の中でゾンビパニック!というありそうでなかった設定が好みでした。移動が多いビジネスウーマンも楽しめるはず。登場人物が多い割にちゃんと人間ドラマが味わえます。あと邦題がこれ何気に秀逸ですよね。(川上洋平/[Alexandros] ボーカル&ギター、ミュージシャン)

2017年後半をゾンビの米連ドラ「ウォーキングデッド」に侵食されている私にとってのトリガーのひとつ。ノンストップの特急列車でゾンビ感染が暴発したらどうどうなるか、というある意味、ホラーサスペンスとしてのお手軽設定ストーリーがこれだけ面白いのは、人間ドラマのディテールも含め、作り手の側に生存とは何かという「サバイバル」についての思考の深度と熱がハンパないからだと思う。エンタメには、真面目さと深さが必要だってことです。(湯山玲子/著述家、プロデューサー)

 

第18位『たかが世界の終わり』

これだけのメンバーをぱっと集めて、さくっと撮影しまう、いまのドランがいかに「もってるか」、その勢いに感嘆せずにはいられない『たかが世界の終わり』。出すもの、出すもの、最高傑作にするドランのいまの頂点。(高山亜紀/フリーライター)

映像、音、感情が何日も残り続ける。せつなく美しい世界。愛を理解したく、されたくもある人間の苦しさ。苦しさのなかの美しさに魅了される作品。(中山路子/「ミュベール」デザイナー)

現代のテーマ、家族を赤裸々に描きながら、それぞれが愛を伝えたいと思っていても、それができないでいるもどかしさが伝わってくる。キャストも魅力的。(村上香住子/作家、エッセイスト)

 

第19位『ありがとう、トニ・エルドマン』

大人になった娘の仕事一筋な生き方を心配する父親が、妙な変装をして娘の前に現れてはちょっとした騒動を起こす。空回りする父親と、あっけにとられたり怒り出したりする娘が徐々に心を通わせる様を、「沈黙」の時間を端折らず存分に描くことでリアリティをもって表現した長篇作品だ。役者の振り切りまくった演技にも注目。(青野賢一/「ビームス」創造研究所クリエイティブディレクター、文筆家)

ドイツの全共闘世代のうざいオヤジが娘にまとわりつくだけなのに、なぜこんなに面白いのか。おそらくグローバル経済の最前線で闘う主人公の深い疲労を、誰もが共有できるからだろう。(松浦泉/ライター)

愛されているのはわかるけど、こんな父親がそばにいるのは絶対イヤ。と言いたくなる困った父の娘に生まれ、会社でそれなりの地位を得た娘がサスがお父さんの娘、蛙の子は蛙、と思わせる行動に出る。人生って面白いです。(渡辺祥子/映画評論家)

 

第20位『メッセージ』

地球規模のカタストロフを描きながら、同時に個人の感情も、愛しさや切なさも描かれている。思索的で暗示的で情緒的な作品。ドゥニ・ヴィルヌーヴの真価が現れているのは「ブレードランナー2049」でなくこちら。(門間雄介/編集者、ライター)

美しい遠景をはじめとした映像美、ヘプタポッドの文字など隙のない美術表現、そして、エイミー・アダムスの圧倒的な演技力で、のめり込むように異空間を体験できる秀逸なSF作品。最終的なヒロインの選択には未だに迷いながらも……賛同派。(A.N/エル エディター)

これから起こることが全部わかったら……。自分の身に置き換えて考えたら、きっと努力もせずダメになってしまうだろうと思います。未来が分からないからこそ、少しでもよくしようとしたり頑張れるんだと感じました。(A.N/エル エディター)

  • (c)2016 Jackie Productions Limited

    『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(パブロ・ラライン監督/ナタリー・ポートマン、ピーター・サースガード)

    ジャッキーの愛称で知られ、いまなおファッション・アイコンとして愛され続けるジョン・F・ケネディ大統領夫人、ジャクリーン・ケネディの知られざる偉業を描いたヒューマン・ドラマ。目の前で夫が暗殺されるというショックにもくじけず、刻一刻と過去の人となっていく夫の名前と功績を未来に確実に残そうとしたジャッキー。その数日間の葛藤を臨場感たっぷりに、主演、ナタリー・ポートマン、製作、ダーレン・アロノフスキーという『ブラック・スワン』チームが制作。

    http://jackie-movie.jp/

  • (c)2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved.

    『新感染 ファイナル・エクスプレス』(ヨン・サンホ監督/コン・ユ、キム・スアン)

    ソウル周辺に謎のゾンビウィルスが発生。釜山行きの超特急に乗っていた父娘らは難を逃れるが、感染者が現れ列車の中はゾンビVS.人間の陣取り合戦となっていく。家庭を顧みなかった傲慢なエリートから幼い娘を全力で守る父親へ変身していく主人公をイケメン韓流スター、コン・ユが熱演。列車という密室をうまく利用して、サスペンスと家族愛の高まりが見事に融合した一作。

    http://shin-kansen.com/

  • (c)Shayne Laverdiere, Sons of Manual

    『たかが世界の終わり』(グザビエ・ドラン監督/ギャスパー・ウリエル、レア・セドゥー)

    第69回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した同作は、国内外で活躍するフランス映画界のスターが集結した家族のストーリー。34歳の人気作家ルイは自分の死期が近づいていることを家族に知らせるため12年ぶりに帰郷する。いつまでも子ども扱いする母と粗野な兄、幼い頃に別れたきりの妹、初めて会う兄嫁。田舎で待っていた家族たちは有名人でゲイの彼にどこかよそよそしい。現代的な家族のもどかしさをドランが感情豊かに瑞瑞しく表現。

    http://gaga.ne.jp/sekainoowari-xdolan/

  • (c)Komplizen Film 

    『ありがとう、トニ・エルドマン』(マーレン・アデ監督/ペーター・ジモニシェック、ザンドラ・ヒュラー)

    変装好き、いたずら好きのお茶目すぎる父親に反発する、堅物エリートの娘。関係を修復しようと、父親はトニ・エルドマンという別人に扮して娘の赴任先で、大騒動を巻き起こす。性格が正反対の父娘が関係を結び直すさまをユーモアたっぷりに描き、ヨーロッパで大ヒット。オスカー候補にもなり、ジャック・ニコルソン主演でハリウッドリメイクも噂される話題作。

    http://www.bitters.co.jp/tonierdmann/

  • photo: Aflo

    『メッセージ』(ドゥニ・ビルヌーブ監督/エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー)

    原作はテッド・チャンの小説「あなたの人生の物語」。突如地球に12の巨大な宇宙船が現れ、謎の知的生命体とコンタクトを取るため女性言語学者が召集される。彼女は物理学者の男性と共に、知的生命体が人類に伝えようとしている“何か”を探ってゆくというストーリー。SF映画に対して評価の厳しいアカデミー賞で、作品賞をはじめとする8部門で候補になるほど高い評価を獲得。

    http://bd-dvd.sonypictures.jp/arrival/

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