日本のセックスにまつわる数字8
世界でTENGAは3.5秒に1個売れている
TENGAの人気は目を見張るものがあります。その性能はもちろん、部屋にさりげなく置いても全く遜色ないデザイン、ブランド力などで今では独身男性の必需品として確固たる地位を築いたと言っても過言ではありません。
映画『メリーに首ったけ』で、主人公の男の子はヒロインとデートするときに緊張を緩和し、ムラムラして襲わないように直前にオナニーをする、というエピソードがありますが、そんな効果はともかく、オナニーというのは人間が文化的・社会的に高度に発展した生物として生きていくのにとても役立っているような気はします。性欲をすべてセックスで満たしていると、もはやセックスは愛の行為ではなく、排泄行為になってしまうからです。ということで、世界に誇るTENGAには感謝してしかるべきだと私自身は思っています。
Text: Suzumi Suzuki Photo: Aflo、Getty Images
-
鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)、『愛と子宮に花束を』(幻冬舎)など。2017年8月8日には新著『おじさんメモリアル』(扶桑社)を発売。また、同名小説を原作とした映画『身体を売ったらサヨウナラ』が絶賛上映中。
Twitter:@Suzumixxx
http://lineblog.me/suzukisuzumi/