日本のセックスにまつわる数字4
20代女性の9.6%が出会い系やSNSで出会った相手と初体験を済ます
私は、携帯電話を初めて持ったのが15歳という、ガラケーで青春を過ごした第一世代ですが、しばらくして登場した「出会い系」というのは、出会いといってもかなり怪しく、売春の温床となっていた類のものでした。しかし、SNSネイティブの最近の若い人たちは、怪しいサイトとは別の、なんらかの紐付けにより安全なサイトで出会ってデートするということに、あまり抵抗がなくなったようです。
先日、知り合いの同世代の女性と、かなり年下の男性と三人で食事をする機会がありましたが、「恋人は今のところいらないけど、セックスの相手が欲しい」という彼はTinderなどのアプリを使い、すでに十数人の相手とデートとセックスをしていました。安全なサイトとはいえ、見ず知らずの他人と待ち合わせるわけですから怖くないのか、上手くいくものなのか、と興味津々に問いただしたところ、普段の出会いでは絶対に選ばないような年齢・タイプ・見た目の人とデートするというのは結構いい経験になり、そういったスリルも込みで興奮するのだとか。
かつて、庶民の恋愛というのは村の仲のいい年頃同士が自然とくっつく、というイメージでした。地元コミュニティがかなり崩壊するなか、ネット空間は少なくとも繋がる場としてまた新しい興奮と出会いをもたらしているのは確かです。
Text: Suzumi Suzuki Photo: Aflo、Getty Images
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鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)、『愛と子宮に花束を』(幻冬舎)など。2017年8月8日には新著『おじさんメモリアル』(扶桑社)を発売。また、同名小説を原作とした映画『身体を売ったらサヨウナラ』が絶賛上映中。
Twitter:@Suzumixxx
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