日本のセックスにまつわる数字6
(既婚者で)不倫中の人は不倫相手と2.4回/月セックスをしている
以前、30代の女性と男性にどれくらいの頻度でセックスをしたいのか聞いたところ、最も多い回答が週に一回でした。仕事が忙しく、疲れていることもあるため毎日だときついし、刺激もなくなる、月に一回では少ない、ということのようです。女性は生理期間がありますから、それを除くと月に3回程度のセックスは、刺激的でもあり肉体的にも満足するという頻度なのかもしれません。
そういったことを念頭にこの数字を見ると、浮気相手・不倫相手とのセックスはかなり理想に近い回数、結婚相手との回数は理想に程遠いということになります。それは浮気や不倫は、将来をともに設計するとか、家庭を運営する、子どもを育てる、趣味を共有するといった多目的な夫婦関係と違って、比較的クリアに恋愛とセックスに特化した関係であるということと無関係ではないでしょう。つまり誰かの不倫相手となれば、あるいは奥さんになるよりも理想的な頻度で愛しあえるということになりますが、反面、将来を一緒に考えたり、恋愛とセックス以外の意味で尊重してもらったりはできません。どういった生き方をすべきかを考える参考にはなりそうです。
Text: Suzumi Suzuki Photo: Aflo、Getty Images
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鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)、『愛と子宮に花束を』(幻冬舎)など。2017年8月8日には新著『おじさんメモリアル』(扶桑社)を発売。また、同名小説を原作とした映画『身体を売ったらサヨウナラ』が絶賛上映中。
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