日本のセックスにまつわる数字3
セックス経験者の男性36.8%、女性45.2%がこの1年間セックスをしていない
セックスレスって何が問題なのでしょうか?
日本人のセックスレスについては、世界で話題になることもあり、フランス人は腰を抜かします。だからといって、米国や欧州諸国に比べてものすごく性犯罪が多いわけではありません。ただ、幸福度は経済的な余裕や貧困率と照らし合わせると、相対的に低い国です。
セックスをすると男性は射精して性欲が一時的に満たされますが、それは大したことではありません。それこそ、TENGAでも射精はできるし、いっとき満たされた性欲は翌日になればまた芽生えます。男性ほどわかりやすくはないですが、女性にも同じようなことが言えます。
では、セックスだけが与えてくれることはなんでしょうか?
まず、少なくとも世界で一人は自分を性的に欲望する人がいるという自信、完璧ではない自分を受け入れてもらう安心感、無防備な姿で自分と2人っきりになってもいいという人がいるという信頼関係など。これらは、あるいは射精以上にとても大きいことです。別に射精をしなくてもいいから、やはり嫌悪感のない相手と、少なくとも週末くらいは裸で抱き合っているべきだと思うのです。
Text: Suzumi Suzuki Photo: Aflo、Getty Images
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鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)、『愛と子宮に花束を』(幻冬舎)など。2017年8月8日には新著『おじさんメモリアル』(扶桑社)を発売。また、同名小説を原作とした映画『身体を売ったらサヨウナラ』が絶賛上映中。
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