20代の童貞、W不倫、Tinderで初体験は当たり前? 数字で見る日本人のセックス事情
2017/08/23(水)
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ジェクス調べ(2016年)

日本のセックスにまつわる数字2

20代男性の20.7%はセックスしたいと思ったことがない

セックスのことばかり考えているような男よりも、文化的で仲間意識が強く、クールな人の方が魅力的に見える、というのは当たり前なんですが、それでも多くの人間の欲望は性欲に結びついているものです。男性の性欲は支配欲とも強く結びついていると考えられますが、いずれにせよ、お金儲けも出世競争も、あるいは服選びや車選びも、より良い女とセックスをしたり愛されたりするという最終的な目標があり、その状態を維持するというモチベーションがあるからこそ仕事を続けたり、頭を下げたりすることができます。

近年、セックスに興味のない男性が以前と比べて増加傾向にあると言われています。当初はセックスや異性、恋愛などに興味がないとなると、もはや何のために働くのか、何のために服を着るのかわからなくなり、やる気のない人間の量産に繋がりかねない、といった懸念の声もありました。実際、私も「草食男子」なんて自称する人に、「お金を儲けるモチベーションがなくないですか?」と聞いたこともあります。ただ、実際の彼らは意外と真面目に働いていたり、清潔感のある身なりをしていたりします。

セックスに興味を持たなくなった人たちが何をモチベーションに社会を泳いでいくのかは今後の彼らを見るしかありませんが、そもそも彼らが派生したのは、お金や学歴に恵まれない状況にいる人が、頑張ってもなかなか性的に報われない二極化の時代の背景から、深く絶望せずに泳いでいくための自己暗示なのかもしれません。あるいは、セックスへの興味が強そうだったバブル時代の男性の末路を確認した新世代が、彼らの生き方へのアンチテーゼとしての心持ちを選択したというやや意地悪な見方もできそうです。

Text: Suzumi Suzuki Photo: Aflo、Getty Images

  • 鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)、『愛と子宮に花束を』(幻冬舎)など。2017年8月8日には新著『おじさんメモリアル』(扶桑社)を発売。また、同名小説を原作とした映画『身体を売ったらサヨウナラ』が絶賛上映中。
    Twitter:@Suzumixxx
    http://lineblog.me/suzukisuzumi/

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