スウェーデン出身のスタイリスト兼ファッションブロガー、カロリーナ・イングマンもインテリア上級者かつフラワー通として見逃せない。

「特徴的な花瓶を使ったアレンジ。花瓶のフチのゴールドを目立たせるには、ボリュームのある花をフチの近くに置くと隠れてしまうので、こうして高さを出すのが正解です。これ、一見枯れて見えますが、ラナンキュラスの頭の重みとも考えられます。下がったように見える花を飾るときは、棚の上など自分の目線よりも上の場所に置くと、花と目が合うような演出ができておすすめです。でも、このリラックスした飾り方も魅力的です」

「モノトーンでまとめた部屋のなかで、白いアジサイが洗練さに磨きをかけています。ここで白バラを選んでいたら少し凛としすぎていたはず。真っ白なアジサイはややカジュアルな、気負いのない飾り方がしやすいんです。彼女はミランダ・カーの華やかでホテルに飾っていそうな雰囲気とは真逆の、リラクシングで肩の力が抜けた飾り方をする方ですね。こなれていると思います」

「ユーカリの葉っぱを飾っていますが、壁の絵を遮らないように、横に伸びたものを選んでいる点に注目です。また左右対称に整ったシルエットだと硬い印象になるので、少しカジュアルに見せたいときにはこうしたアシンメトリーなフォルムが有効。しかもここでは2本のキャンドルが同じ高さなので、そういうときに左右非対称のものを横に置くことの効果は大きいです。絵の掛かった壁面の近くに花やグリーンを置くときの参考にしましょう」

「カスミ草の茎の部分を短く切り、花の頭だけ見えるようにわざわざ高さを合わせてコンパクトにまとめています。通常のカスミ草の広がり方だとありきたりになりすぎますが、これならモダンで素敵です。CMや広告でも女優さんの顔周りに花をもってくることが多いように、花はその人の顔をメイクと同じくらい引き立たせるもの。そういう感じで、ここにこれだけインパクトのある花を置くことで、自分が見せたい雑誌をうまく引き立てたんですね」

「観葉植物のザミアと赤い花、キャンドルを窓辺に。私が仕事で夜のパーティ会場を飾るとき、一般的に好まれるのは暗くても目立つ花なんですが、以前に幻想的でダークな洞窟空間の会場に、あえて暗い色のドライフラワーを置いたことがありました。要は、暗闇で目立つシルエットだったんです。暗いときこそシルエットは大事で、彼女もこの時間帯でも素敵に見えるようにシルエットを意識しているかもしれませんね。高低差のバランスもいい。ミランダのつくる高低差とはまた違う、アーティスティックなムードです。とてもコーディネートセンスのある方ですね」