史上5人目同士のグレタVS.ジョーダンで票割れ?
グレタは女性監督として、『ゲット・アウト』のジョーダン・ピールはアフリカ系監督として、ともに史上5人目の監督部門ノミネートを果たした。しかもそろって、単独監督デビュー作ときており、同部門5枠のなかの“マイノリティ&新人2トップ”で票割れした可能性もある。人種問題については、2015&16年と2年連続で俳優部門のノミネート20枠を白人俳優が占めたことで「白すぎるオスカー」批判が起きたが、昨年、全俳優部門にアフリカ系俳優がノミネートされ、『ムーンライト』が作品賞を受賞したことで、挽回ムードに。もちろん、ハリウッド内の人種問題が改善されたわけではないが、今年は一連のセクハラ問題も相まって、「今度は性差別のほうをなんとかせねば」というムードが強かったことは確か。その意味で、グレタのノミネーションには本当に大きな意味があったのだ。
Text: Yuki Machida Photo: Getty Images, Universal Pictures