監督グレタと主演女優シアーシャで票割れ?
今回の賞レースにおける主演女優賞争いでは、後半こそフランシス・マクドーマン(『スリー・ビルボード』)がぶっちぎりだったものの、批評家アワードが続く前半には、「今年はシアーシャ・ローナンがくるのでは?」という声が飛び交っていた。ローナンは23歳にして、『つぐない』『ブルックリン』に続き、3度目のオスカー・ノミネーションを手にした天才ガール。賞レース前半の『レディ・バード』の顔は、シアーシャだったと言ってもいいぐらい。その後、女性フィルムメイカーの地位向上ムーブメントが高まり、なによりゴールデングローブ賞の監督部門でグレタが候補外となったことが逆に追い風となり、グレタの存在感が強まった。とはいえ、『レディ・バード』を推す際に、やっぱり監督グレタより主演女優シアーシャに注目した会員も多かったのでは?
Text: Yuki Machida Photo: Getty Images, Universal Pictures