特集 2018/3/6(火)

フランシス・マクドーマンドが受賞スピーチで語った「inclusion rider」ってどういう意味?

「最後に伝えたいメッセージがあります。会場にいるみなさん、『inclusion rider』という言葉をよく覚えておきましょう」

 

Getty Images

2018年3月4日(現地時間)に開催された第90回アカデミー賞授賞式で、主演女優賞に輝いた女優フランシス・マクドーマンド。女性たちの才能をもっと評価し、男女不平等を解消するよう訴えたスピーチを披露し、最後にこう締めくくった。「最後に伝えたいメッセージがあります。会場にいるみなさん、『inclusion rider』という言葉をよく覚えておきましょう」

この「inclusion rider」という言葉は、一体どういう意味なのか。調べてみたところ、どうやら「映画業界における役者&スタッフの多様性を保障する条項」のことらしい。役者たちは出演交渉を行う際、「riders」と呼ばれる付帯条項をつけるのが一般的。「rider」というと、大物アーティストたちがツアーのために要求するリストのことを「tour rider」といい、それと内容は似ている。ちなみに歌姫マライア・キャリーのtour riderには「白い子猫10匹」と「白い鳩10羽」があったとかなかったとか.....。

米『ワシントンポスト』紙によると、「inclusion rider」は「映画に登場する人物のなかに、女性、少数民族、LGBTQコミュニティの人々、障害をもつ人々がある程度の割合で入っていること」を条件とした要項のこと。つまり、現在のアメリカを舞台にしたドラマを制作する場合、出演者の50%は女性、50%は白人以外の役者、20%は障害を持つ役者、5%はLGBTQコミュニティに属する役者でなければならない。また主要キャストに限らず、映画クルー、すなわちエキストラや制作スタッフに対しても同じことを求めている。
 
マクドーマンドは授賞式後のインタビューで「35年映画業界にいるけど、私もこの言葉を先週知ったばかり。いま女性がトレンドと言われてしまっているけど、“トレンド(流行り)”じゃなくなるのはこのinclusion riderという言葉がキーになると思う」と述べている。

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Photos: Getty Images Translation: Reiko Kuwabara From ELLE

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