『ラ・ラ・ランド』を10倍楽しめる映画BEST8
2017/02/22(水)
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恋人たちの“すれ違い”ミュージカルの元祖といえば…

 

 

『シェルブールの雨傘』(1964年)

 カトリーヌ・ドヌーヴ主演のミュージカル『シェルブールの雨傘』はフランス映画。傘店で働くジュヌヴィエーヴと自動車修理工のギイが戦争によって引き裂かれる悲恋を描き、カンヌ国際映画祭では最高賞のグランプリに輝いた。

 この映画は、ハリウッドでミュージカル映画が衰退してしまった1960年代に、フランスでミュージカルを復活させたという“華やかだった時代”を回顧した映画でもある。その精神が、実は『雨に唄えば』とも『ラ・ラ・ランド』とも似ている。そして『シェルブールの雨傘』は、男女の“すれ違い”を描いている点で、『ラ・ラ・ランド』で描かれる男女関係とよく似た物語にもなっている。

<ストーリー>
フランスの港町シェルブールに暮らす傘屋の少女ジュヌヴィエーヴと自動車修理工のギイ。恋するふたりは幸せな時間を過ごしていた。ある日、ギイの元にアルジェリア戦争の召集令状が届き、突然ふたりは離ればなれになってしまう。

Text: Takeo Matsuzaki Photo: Getty Images, Aflo

  • 『ラ・ラ・ランド』
    LAの映画撮影スタジオのコーヒーショップで働く、女優の卵ミア(エマ・ストーン)は、ジャズピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴスリング)と出会い、恋に落ちる。成功の階段を駆け上がっていく過程で、すれ違っていく、ふたりの関係・・・・・・。ジャズ・ドラマーをテーマにした『セッション』でアカデミー賞3部門を受賞した新鋭デミアン・チャゼルのジャズ3部作の完結編。見事なジャズシーンに、今回はさらにダンス・パフォーマンス要素を増やして、センチメンタルな若い恋の行方を華やかなミュージカルに仕上げた。往年のハリウッド女優のような、エマのグラマラスなファッションも見どころ。2017年2月24日(金)、TOHOシネマズみゆき座ほかで公開予定。

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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