本年度アカデミー賞候補、ニコール・キッドマンのキャリア最高の演技に迫る!
『LION/~25年目のただいま~』で第89回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされたニコール・キッドマン。授賞式直前の声をエルが独占インタビュー!
実話と知ってすぐこのストーリーと恋に落ちた
5歳のときインドで迷子になったサルーは、その後、オーストラリア人夫妻の養子となり、立派な大人になった。25年後、実の家族への想いを断ち切れない彼は、Google earthを使って故郷の町を探し出した……。アカデミー賞6部門にノミネートされたウソのようなこの奇跡の実話の映画化『LION/ライオン 25年目のただいま』で、養母スー・ブライアリーを演じたのがニコール・キッドマンだ。「キャリア最高の演技!」と絶賛され、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされたニコールに緊急独占インタビュー!
—アカデミー賞助演女優賞ノミネート、おめでとうございます!『LION/ライオン』に出演することを決めた理由は?この奇跡的なストーリーを知ったとき、どのように思ったのでしょうか?
「オーストラリアのエージェントがいい脚本だからと送ってきてくれたの。信じられなかったわ! Google earthを使ってほとんど記憶もおぼろげな家を探そうとし、それを現実に成し遂げたなんて。本当のこととは信じられなかったの。すぐにこのストーリーと恋に落ちて、NYにいた監督のところに飛んでいったのよ」
—サルー・ブライアリーの奇跡の物語も感動的ですが、彼を育てた義母スー・ブライアリーの生き方や子育てにおける愛情のかけ方にも心を動かされます。
「スーは、若い時に実子をもたず、親のいない子供を養子にして育てるべきだ、というヴィジョンをもつの。そしてサルーは、彼女の天使になったのよ。母性本能が強い部分とか、とても共感を覚えるわ。だからこそ、この役を演じたいと思ったの。母の力はこの世でいちばん強いものだと信じているの」
—実子をもたずに養子をとるという確固たる考え方をもっていますね。
「子供をもつことはとてもいいことよ。この物語は、母親がもつ力について語ってもいる。母親の愛情は、義母であっても母親代わりになる誰かの愛情であっても関係ない。善良な愛は、癒し。素晴らしい愛を注がれることは、子供にとって素晴らしいスタートとなるのよ」
—実際にスーにもお会いしたとか?
「私の母国でもあるけど、オーストラリアの女性という感じの方だったわ。強くてストイックで思いやりがあり、とても優しい。そして直感的な人。多くの時間を一緒に過ごして、いまでは友達になったのよ」
—子ども時代のサルーを演じたサニー・パワールは可愛くて魅力的でしたね。子供たちとの共演は楽しいものでしたか?
「生まれついての役者ね。これまで演技をしたことがなかったのに、あんな素晴らしい演技をするんですもの。撮影が始まったときには英語が話せなかったのに、いまでは上手なの。彼の成長をみていると驚くことばかりよ。私も子どもがいるでしょ。だから、撮影現場での仕事は難しいものじゃなく、とても楽しかったわ」
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『LION/ライオン~25年目のただいま~』
出演/デヴ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマン、デヴィッド・ウェンハム、サニー・パワールほか
2017年4月7日、TOHOシネマズみゆき座ほかにて公開。
http://gaga.ne.jp/lion/
Text: Atsuko Tatsuta