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写真:篠原有司男 不詳[花魁シリーズ] 1966年頃 東京都現代美術館蔵

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人気美術館の“常設展”に注目

アートに触れる機会が増えたなら、もっと深く理解するために「学んで」みたいところ。美術大学へ行かなくても、美術史を一から勉強しなくても、気軽にアートを学べるスポットはあるのだろうか?
 
「『東京都現代美術館』の“MOTコレクション”展は、歴史的な作品から目下活躍が世界に注目されはじめた若手作家まで幅広い作品を、時代の流れをふまえて読み解くための文脈をきちんと提示しながら、紹介している見応えある展覧会です。そしてほぼ通年、常時開催されています。よく宣伝されるのは企画展のほうですが、ぜひ常設展も見てみて下さい。むしろ、そちらを目的に見に行くくらいの気持ちで行っても見応えがありますよ。東京でアートを気軽に、でもきちんと学ぶための、とてもよい場所です。
 
あとは、好奇心旺盛な作家がいま同時代に何を見ているのかを、その作家のツイッターをフォローしながら注目していくのもよい手段ですね。たとえばホンマタカシさんは、今見るべき才能に非常に敏感で、最近では演劇のシーンの方たちとよく対談をされています。また「青山ブックセンター」では、写真の新しい解釈を体験するためのワークショップを開催されていて、それもホンマさんのブログで告知されています。誰かそういった指針となる人物を見つけて、その人が注目しているシーンや、参加しているイベントを追いかけてみるのも、現代的なアートとの出会い方だと思います」
 
休日に美術館や書店で開催されている良質な企画に足を運ぶことで、身近な場所からアートを学ぶのは、社会人であるエル・オンライン世代にはおすすめの方法。SNSを利用して、気軽にお気に入りのアーティストの情報を拾うことも、アートの世界と距離を縮められる有効的な手段といえそう。

  • 東京都現代美術館 MOTコレクション
    約 4,700点に及ぶ収蔵コレクションを核に、毎回さまざまなテーマを設定して、戦後の現代美術の魅力を多角的に紹介。今シーズンは、1923年 の関東大震災から現代まで、美術作家たちが時代状況とどう向き合い作品を制作してきたかを紹介する、第1部「私たちの90年 1923―2013」と、鑑賞態度や芸術概念への再考が問われた1960年代後半の美術状況に焦点を当てた第2部「クロニクル 1966―|拡張する眼」から構成。
     
    期間/2014年2月15日(土)~5月11日(日)
    営業時間/10:00~18:00(入場は17:30まで)
    定休日/月(5月5日(月)は開館)、5月7日(水)
    東京都江東区三好4-1-1
    tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    http://www.mot-art-museum.jp/

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cooperation : Nakako Hayashi

  • 林 央子
    編集者。国際基督教大学を卒業後、1988年に資生堂入社。『花椿』編集部を経て2001年よりフリーランスに。女性誌やカルチャー誌でファッションやアート、写真、本など幅広い分野で執筆活動を行う傍ら、2002年に自費出版したインディペンデントマガジン『here and there』をコンスタントに発表している。著書には、『パリ・コレクション・インディヴィジュアルズ』『パリ・コレクション・インディヴィジュアルズ 2』(共にリトルモア)『拡張するファッション』(P-Vine Books)。
    http://www.nakakobooks.com/

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