>
<

写真上:川島秀明展示風景、2014年、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery (c)Hideaki Kawashima
写真下:前田征紀 「ECHOES」 展示風景 タカ・イシイギャラリー東京 2011 年11 月12 日-12 月10 日 Courtesy of Taka Ishii Gallery, Tokyo / Photo: Yasushi Ichikawa

1/8

東京のアート事情を知ろう!

そもそも“東京”のアートシーンは、どのような特徴を持っているのだろう。今回はアートやファッションに造詣の深い、編集者の林 央子さんにお話を伺った。
 
「日本は伝統的な美術の歴史があり、画廊も“画壇”との関係が強く根付いていました。インスタレーションやコンセプチュアルなアートといった、現代アート作品を売るコマーシャルギャラリーが増えたのは90年代以降と比較的浅く、コレクターの層も新しいということ。生まれたばかりのシーンだといえます。日本から世界的に活躍する現代アートの作家が登場し、彼らと同世代のギャラリストがはじめたギャラリーの成長とともに、アートシーンも独特の成長過程にあるということが東京のアートシーンの特徴ですね」
 
現代アートの分野では、まだまだ小規模な東京のアートシーンだが、海外から注目を集める日本人アーティストの台頭や、国内外で修行を積んだギャラリストの存在が、東京アートを熱く動かしていると林さんはいう。
 
「国際的に活躍する日本人アーティストといえば、先駆的な存在が奈良美智さんと村上 隆さんです。現代アートのコマーシャルギャラリー、作品販売を取り扱うギャラリーの第一世代として、そういった作家たちとともに歩んできたギャラリーには、『小山登美夫ギャラリー』(1996年開廊)や『タカ・イシイギャラリー』(1994年開廊)があります。どちらも東京を代表するギャラリーに成長していますが、そこで働いていたり、またはNYなど海外のギャラリーで経験をつんだギャラリストたちが活躍するようになり、第二世代、第三世代とうたうギャラリストも登場しています。一言にギャラリーといっても、作家やギャラリストの世代や感覚が微妙に異なれば、展覧会のプレゼンテーションもさまざま。知る程に奥が深いです」

  • 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
    清澄白河の「小山登美夫ギャラリー」がディレクションを手掛ける新タイプのギャラリー。モダンアート、工芸、建築、書籍など、さまざまなジャンルをアートのフィールドでクロスオーバーさせる、注目のアートスポット。
     
    営業時間/11:00~20:00 会期中無休
    東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F
    tel. 03-6434-1493
    http://www.hikarie8.com/artgallery/
     
    タカ・イシイギャラリー
    1994年の開廊以来、写真を中心に国内外の著名なアーティストを紹介し、日本のアートシーンを牽引。清澄白川にある「タカ・イシイギャラリー」に端を発し、六本木に「タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム」と「タカ・イシイギャラリー モダン」を構える。
     
    営業時間/12:00~19:00
    定休日/日・月・祝
    東京都江東区清澄1-3-2 5F
    tel. 03-5646-6050
    http://www.takaishiigallery.com/jp/

「新発見! 東京アートの愉しみかた」トップへ

cooperation : Nakako Hayashi

  • 林 央子
    編集者。国際基督教大学を卒業後、1988年に資生堂入社。『花椿』編集部を経て2001年よりフリーランスに。女性誌やカルチャー誌でファッションやアート、写真、本など幅広い分野で執筆活動を行う傍ら、2002年に自費出版したインディペンデントマガジン『here and there』をコンスタントに発表している。著書には、『パリ・コレクション・インディヴィジュアルズ』『パリ・コレクション・インディヴィジュアルズ 2』(共にリトルモア)『拡張するファッション』(P-Vine Books)。
    http://www.nakakobooks.com/

MORE TOPICS

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト