男らしさって何? なぜ日本社会に“ジェンダーレス男子”は必要なのか
2017/05/30(火)
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こんどうさんプロデュースのブランド「DING」は男女の壁をなくしたアイテムを販売。写真のデニムジャケットも男女兼用のアイテム。7:3の割合で女性の顧客が多いそう。

ジェンダーレス男子とは?

りゅうちぇるは派手な方!?  男女の壁を越えたファッション性

多くの人がイメージするジェンダーレス男子のファッションは、白に近いグレーや金髪などの派手な髪色、人間的な感じのしないカラーコンタクトレンズにピアス、スキニーパンツに厚底靴といった共通点があったのではないだろうか。しかし、取材に来てくれた3人の髪色は揃って暗め、ファッションもそれぞれ違い、揃いのスキニーパンツを履いているというわけではない。「ジェンダーレス男子という言葉が頻繁に使われるようになった頃は、派手髮カラコンというのが主流だったけれど、最近では私生活ではシンプルなものを選ぶことも多い。ノームコア化してるのかも」(こんどうさん)。

「最近はモノトーンのアイテムがお気に入り」と話す、UsukeDevilさん。「バレンシアガ」から「ユニクロ」まで着こなす、ハイ&ローコーディネートもお手のもの。 courtesy of screamer29 via Twitter

それでも、彼らにはどことなく共通した雰囲気も漂う。トレードマークの派手髮やカラコンを外した彼らのジェンダーレスたる所以は「男らしさや女らしさにとらわれずファッションを楽しむ」(UsukeDevilさん)こと。原宿系のファッションシーンのなかでも、男っぽさを脱ぎ捨て綺麗であることを重視した外見の者たちを総称していると考えていいよう。

そのファッションへのこだわりやどことなく柔らかい雰囲気から、内面的な部分もフェミニンさを想像してしまうが、「恋愛対象は女性だし、中身は意外と普通に男の子」(Yapp!さん)。中性的な部分はあくまで外見に依拠しているところが、従来のゲイカルチャーや女装男子などとは一線を画す特徴。

text: Suzumi Suzuki

  • 鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)など。2017年5月25日には、新著『愛と子宮に花束を』(幻冬舎)を発売。7月1日には、同名小説を原作とした映画『身体を売ったらサヨウナラ』が全国順次ロードショー。
    Twitter:@Suzumixxx
    http://lineblog.me/suzukisuzumi/

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