英国全裸エリート大学生が闘う“トランプ後”の不寛容な社会
2016/11/15(火)
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(c)Warwick Universit Rowers

ウォーリック大学ボート部がつなぐ「アライズ」=ストレートとLGBTの“同盟”

毎年「わかってらっしゃる!!!」というサービス精神たっぷりのヌードカレンダーを出版しているイギリス、ウォーリック大学漕艇部。英国TOP10に入る超難関校のボート部員たちによる2017年度の新バージョンがつい先ごろ出版された。彼らがカレンダーを発売したのは、最初は部の安定的な活動資金集めのため。しかし、男性がヌードになるという行為への人々の反応から学んだことは、男性ヌードがLGBTQ、そしてジェンダーの差別に立ち向かう強烈な武器になるということだった。男性が全裸になるといかに嘲笑されるか。LGBTQがどれだけ不当な扱いを受けているかを知ったこのボート部は、そんな社会に対し闘志を燃やし、「性的マイノリティのために立ち上がるストレート男性」として信念をもって毎年裸を晒している。スポーツ、特にチームスポーツにおけるホモフォビア(同性愛嫌悪)根絶活動は今年、イギリスで正式な慈善活動として認められ、さらなる飛躍を目指しているところだ。今年のカレンダー担当の学生、マイケル・シェインが「エル・オンライン」のメール取材で語ってくれたのは大きな恐れと不安だった。
 
https://www.youtube.com/watch?v=UQVjHpQ7xO8

https://player.vimeo.com/video/191295138

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彼が引用してくれた「インディペント」紙10月9日(日)の記事によると、LGBTQをサポートする団体「ギャロップ」が行った調査で、Brexitの後、ホモフォビアックなヘイトクライムが投票後147%も増加。ヘイトクライム全体(人種差別、性差別を含む)に関しては57%増加している。現状としては、イギリスの国内は二分化されているという。「ポーランドへ帰れ」という手紙がホテルに届き、ロンドンの富裕層が非白人のウェイターによるサービスを拒否し、人種差別的行動は10歳の子供にも容赦なく加えられるのだとか。この事態を考慮した人々は“PostRefRacism”、“Worrying Signs”、そして“iStreetWatch”という3つのソーシャルメディアサイトでこれらのヘイトクライムを監視、報告する活動を続けている。

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ギャロップによれば、80%のLBGTQの人々がヘイトクライムの被害者となった経験があり、25%の人々が身体的な攻撃を受けた経験があるという。なおかつ、警察へ被害届を出した人の半数が、警察での捜査に不満を持っていることが明らかになった。実際、これにはイギリスの法整備の不完全さを示しているという声も高い。ホモフォビア、トランスフォビア、および障害者に対するヘイトクライムに対する最大の量刑が懲役6ヵ月なのに対し、人種差別及び信条、信仰、宗教に対するヘイトクライムの最大の量刑が懲役2年という現実がある。

Text : Ryoko Tsukada

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