特集
2016/11/15(火)
ELLE CINEMA AWARDS 2016

映画ジャーナリストが選ぶ、2016年のベスト映画【後編】

エルでおなじみの映画ジャーナリスト11名が、部門別に2016年のベスト映画&俳優を選出。映画を知り尽くしたプロたちが選んだベスト3を、前編、後編の2回に分けてお届け。本日は後編5ジャンルを公開!

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『スポットライト 世紀のスクープ』DVD発売中 photo: aflo

王道ハリウッド映画部門BEST3/よしひろまさみちさん

『スポットライト 世紀のスクープ』
見事オスカーも獲得した大傑作。なにが良かったって、主役と呼べる人がひとりもいないこと。記者達を演じた俳優陣のアンサンブルが見事過ぎて、誰か一人が良かったとは言わせない説得力だったわ。教会の闇に迫ろうとする新聞記者達が、真相に近づけば近づくほど、気持ちを一つにしていく“アベンジャーズ”的な団結に大感動~。リサーチのために元神父にバンバン体当たり取材していくところとか(しかも超気味の悪い事実やコメント続出)、教会側が強大なパワーを使って妨害工作をしてくるところとか、サスペンスというより、もはやスリラー系よ。同じく記者の奮闘を描いたウォーターゲート事件がテーマの傑作『大統領の陰謀』を超えちゃったかも(アレもいい映画だったけどね~)。

『オデッセイ』
リドリー・スコット監督で、宇宙でSF。なんか「またそういう系?」って思って軽く考えてたら、めちゃくちゃ娯楽しててビックリだったヒット作。一瞬でも「手あかついた企画」なんて思ってしまったあたしを呪ったもんよ。暮らし心地重視な火星で救援待ちボッチ生活と、NASAの会社的大混乱(「事件は現場で起きてるんすよ!」って誰かのセリフを投げかけたい気分に)の対比がとてもうまくて、もしかして火星で芋掘り生活も悪くないのでは? と錯覚してしまったほど(いやいや、地球がいいんだけどね)。しかもアメリカばんざーいなハッピーエンドも、突き抜けすぎててむしろ爽快。一つ不満挙げるとしたら、ディスコミュージックってそんなにダサい? ってことくらい。

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
マーベル映画は世界中でヒットしても日本だけイマイチというジンクスあるけど、特に『キャプテン・アメリカ』シリーズは可愛そうな立ち位置なのよね。前2作は公開タイミングがよろしくなかったせいか、他のマーベルヒーローものよりもグッと低めな成績……。でも、ようやくこのシリーズがヒーロー結集の『アベンジャーズ』シリーズにおけるブリッジとなるエピソードってことが認知されてきたみたいで、成績も割と上々だったのよ~。ということで、『シビル・ウォー』は“アベンジャーズ2.5”! 新規参加ヒーローもたくさんいるし、物語もアクションも興奮の連続。これ、観ておかないと、2018年公開予定『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を楽しめないから、観てない人は必ずチェックよ!

●ベスト男優
エディ・レッドメイン(『リリーのすべて』『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』)
『リリーのすべて』で女性になりきったエディたん。シリアスな役はもうお手の物だけど、今年は『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』でハリポタファミリー入り。もうどこまで出世しちゃうの! と言いたくなる快進撃で、今後の活躍から目が離せませんのよ。

●ベスト女優
アリシア・ヴィキャンデル(『リリーのすべて』『エクスマキナ』『ジェイソン・ボーン』)
エディたんと共演した『リリーのすべて』でオスカーまでゲットしてしまったアリシアたん。急激な出世だけど、『エクスマキナ』や『ジェイソン・ボーン』も観てしまうと、ものすごいポテンシャルの持ち主だということがわかるわ~。次は実生活の恋人マイケル・ファスベンダーとの共演作だけに、これまた見逃せませんわ。

  • よしひろまさみち/映画ライター。今年のおかわり映画は『ズートピア』! いやー、こんなに多様性のありがたさにあふれた愛ある映画ないわ~、と何度も感動しましたわ。

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