その偏見に喝!「SATC実は観ていないんです」救済の会
2017/06/26(月)
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“実は観てないんです”な理由⑦

映画版を見た限りでは、つまんない痴話げんかばっかりだったけど……。(30代Aさん)

この感想は、実はドラマ版のファンからもよく聞かれるものです。

製作のダーレン・スター曰く、SATCの当初のテーマは「究極的に、女性は結婚に幸せは見いだせない」というものでしたが、映画版は「女性はブランドのファッションと結婚があれば喜ぶ」といったハリウッドのガチ保守オヤジ的発想で作られたものだったのでは……と私は想像しています。

もちろんドラマ版はその正反対。女子たちが日々リアルに感じている「女子あるある」が満点です。例えば、シーズン1の第10話「母親は究極のカルト」。8年前はサマンサ最大のライバルにしてマンハッタンの夜遊びの女王だったレイニーが、リッチな男と結婚そして妊娠し、郊外の自宅で行われるベイビーシャワー(出産前祝い)に4人が招待されるお話。レイニーに「まだ男漁りしてるの?」と言われて、頭にきたり落ち込んだりする一方で、母親たちの不安や寂しさも浮き彫りにするラストが切ないエピソードです。

今の時代、30歳から40歳の女子にとっての選択肢はあまりに多く、6シーズンの間に4人もさまざまな人生の岐路に立ち向かいます。自分は「女の本当の自由を手に入れた側」なのか、それとも「世にいう幸せを失った側」なのか。そして自分の欲しいものは「世にいう幸せ」なのか、「本当の自由」を手にするために他を犠牲にする覚悟があるのか。いろんな価値観と人生が、迷いと切なさと共に描かれる物語なのです。

text: Shiho Atsumi photo: Aflo, Getty Images

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