その偏見に喝!「SATC実は観ていないんです」救済の会
2017/06/26(月)
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原作者でキャリーのモデルとなったキャンディス・ブシュネル

“実は観てないんです”な理由④

そもそもラブストーリーのドラマに興味がないんですが。(20代Tさん)

SATCはラブストーリーではないとは言えませんが、単純なラブストーリーとはまったく異なります。恋愛とセックスをめぐる社会学、みたいな感じでしょうか。

そもそもはこの作品、キャンディス・ブシュネルという作家が週刊誌に連載していたコラム「セックスとニューヨーク」が原作で、彼女が観察していた大勢のうちの4人がドラマの登場人物の元ネタになっていて、同時に主人公のキャリーがキャンディスの分身の役割も果たしています。

でもって毎回のドラマは彼女が書いた原稿で、冒頭にはそのときにキャリーがぶつかっている問題が提示され、それに対する本当に様々な人――老若男女にLGBTQ、ビジネスマン、ブルーカラー、主婦、アーティストなどなど――のコメントがコラージュ的にポンポンポンと挿入されます。

例えば、シーズン1の第7話での問題提起「一夫一婦制の現実」のコメントは……。
「もう1年以上ひとりの女性と付き合ってるけど、いいね、落ち着いた関係って。もちろんプロの女とのセックスは別だけど」「一夫一婦制っていうのは退屈極まりないわよ」「一夫一婦制大賛成。ひとりの人と深く関われるし、ムダ毛のお手入れしてなくても気にならないし」

シーズン2の第二話「恋愛における禁句」では……。
「親友がどうしようもない男と結婚したの。なんて言えばいい?カス掴んだねって?」「女房が豊胸手術を二回やったんだよ。見た目は最高だけど、触るとガチガチ。一度も言ってないけどね」「私は38歳独身。いつか結婚したいけど、できるかどうかは知りたくない」

笑いながらわかるわかると思ううちに、実はこの世に「一般論」なんてないんだなと思える。それもSATCのすごく魅力的なところです。

text: Shiho Atsumi photo: Aflo, Getty Images

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