『ダンケルク』新しいスターを生み出してきた戦争映画に注目!
2017/09/07(木)
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『プラトーン』(86)

ヴェトナム戦争に志願したオリヴァー・ストーン監督の実体験を基に、想像を絶する戦場の悲惨さを描いてアカデミー作品賞に輝いた作品。チャーリー・シーンやトム・ベレンジャー、ウィレム・デフォーなどが出演しているが、本作もまた、当時はまだ無名だった役者が多く起用されている。
 
この映画にはジョニー・デップが、ラーナーという通訳兵の役で出演している。襲撃した村が燃え盛る中、現地の少女を抱きかかえながら去ってゆくジョニーの姿が確認できる。兵士役の役者たちは着用するヘルメットに各々のメッセージを書き込んでいるのだが、ジョニーのヘルメットには当時交際していた女優の名前が書かれていたと言う。その女優、シェリリン・フェンは『トゥー・ムーン』(88)に主演して注目され、90年に放送となるドラマ「ツイン・ピークス」のオードリー役でブレイクを果たすこととなった。

text: Takeo Matsuzaki photo: AFLO, GETTY IMAGES

  • 『ダンケルク』
    第二次世界大戦の真っ只中の1940年。ヒトラー率いるドイツ軍により、イギリスとフランスの連合軍兵士が、フランスの港町ダンケルクに追い詰められた。海岸に残された40万人もの兵士を救出するため、対岸のイギリスから民間の船舶も動員した<ダイナモ作戦>が展開される……。これまでも斬新な世界観で観る者を驚愕させてきたクリストファー・ノーラン監督が、実際に起きた救出作戦を、陸海空それぞれの視点で描いている。緊迫感と臨場感を創り出すことを意識したIMAXでの撮影。極力CGを使わない徹底した実物主義は、博物館から当時の駆逐艦を借りて撮影するなど細部にまでこだわりをみせる。本作は物語らしいものを排除し、極力台詞を削ぐなどすることで、観客がスクリーンの中で戦場そのものを体感するような作品になっている。

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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