『ダンケルク』新しいスターを生み出してきた戦争映画に注目!
2017/09/07(木)
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『ブラックホーク・ダウン』(01)

1993年、ソマリアで起こった内戦に介入したアメリカ軍のベリコプター“ブラックホーク”が撃墜され、敵地に取り残された兵士たちを救出する姿を描いた作品。リドリー・スコット監督は、ジョシュ・ハートネットやユアン・マクレガーなど、当時人気の若手俳優を兵士役に多数起用した。
 
この映画には、当時まだ無名だったオーランド・ブルームが出演。映画の前半でヘリから落ちてしまう印象的な兵士を演じている。また『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』(15)のトム・ハーディは、この映画がデビュー作(クレジットはトーマス・ハーディ名義)。さらにデンマーク人である、人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のニコライ・コスター=ワルドーにとってハリウッドデビュー作でもある。

text: Takeo Matsuzaki photo: AFLO, GETTY IMAGES

  • 『ダンケルク』
    第二次世界大戦の真っ只中の1940年。ヒトラー率いるドイツ軍により、イギリスとフランスの連合軍兵士が、フランスの港町ダンケルクに追い詰められた。海岸に残された40万人もの兵士を救出するため、対岸のイギリスから民間の船舶も動員した<ダイナモ作戦>が展開される……。これまでも斬新な世界観で観る者を驚愕させてきたクリストファー・ノーラン監督が、実際に起きた救出作戦を、陸海空それぞれの視点で描いている。緊迫感と臨場感を創り出すことを意識したIMAXでの撮影。極力CGを使わない徹底した実物主義は、博物館から当時の駆逐艦を借りて撮影するなど細部にまでこだわりをみせる。本作は物語らしいものを排除し、極力台詞を削ぐなどすることで、観客がスクリーンの中で戦場そのものを体感するような作品になっている。

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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