セレブコラム 2017/9/7(木)
松崎健夫の映画ゼミ

『ダンケルク』新しいスターを生み出してきた戦争映画に注目!

これまで見てきた映画は約2万本! 『ZIP!』などで活躍中の映画評論家・松崎健夫さんが独自の視点で解説する「映画ゼミ」連載企画第7弾。今回はワン・ダイレクションのハリー・スタイルズが出演していることでも注目の映画『ダンケルク』の公開を前に、新しいスターを生み出してきた戦争映画を徹底研究。

俳優ハリー・スタイルズの演技も魅力の映画『ダンケルク』

『ダークナイト』(08)や『インセプション』(10)、『インターステラー』(14)など、圧倒的な映像表現で映画ファンを魅了してきたクリストファー・ノーラン監督。彼が初めて史実を映画化した作品が、9月9日公開の戦争映画『ダンケルク』である。第二次世界大戦下のフランスの港町ダンケルクを舞台に、40万人もの英仏軍を救出する歴史的な<ダイナモ作戦>を描いている。
 
本作のキャストとして若き兵士のひとりを演じているのが、ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズ。この映画では彼のみならず、ノーラン監督は若い兵士を演じた主要キャストに新人俳優を起用している。
 
実は戦争映画の伝統として、「新人俳優を主要キャストに起用する」あるいは、「ミュージシャンを俳優として起用する」ということがある。今回の「映画ゼミ」では、戦争映画が生み出してきた新しいスターについて学んでみよう。

text: Takeo Matsuzaki photo: AFLO, GETTY IMAGES

  • 『ダンケルク』
    第二次世界大戦の真っ只中の1940年。ヒトラー率いるドイツ軍により、イギリスとフランスの連合軍兵士が、フランスの港町ダンケルクに追い詰められた。海岸に残された40万人もの兵士を救出するため、対岸のイギリスから民間の船舶も動員した<ダイナモ作戦>が展開される……。これまでも斬新な世界観で観る者を驚愕させてきたクリストファー・ノーラン監督が、実際に起きた救出作戦を、陸海空それぞれの視点で描いている。緊迫感と臨場感を創り出すことを意識したIMAXでの撮影。極力CGを使わない徹底した実物主義は、博物館から当時の駆逐艦を借りて撮影するなど細部にまでこだわりをみせる。本作は物語らしいものを排除し、極力台詞を削ぐなどすることで、観客がスクリーンの中で戦場そのものを体感するような作品になっている。

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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