Level #3
ヒソヒソ話に同調するなら“メタ認知”を使って戦略的に
職場でよく囁かれる「同僚の悪口」に、なんとなく流されて同調はご法度。自分の魂を売ってしまったような、自己嫌悪感に陥ってしまい、自己肯定感が低下してしまうことが大きな理由です。自分を嫌いになるような行動はしないに越したことはありません。もちろん、同調するふりをして、この場をうまくやり過ごすと、意識的な選択をしているなら、それはそれでアリでしょう。陰口は相手に伝わらないことが前提ですから、相手を傷つけず、さらにこの場を穏便に過ごしたいという素直なニーズを満たすという選択でもあるわけです。話の内容に関して、自分が思うことをバカ正直に相手に伝えることが、必ずしも賢い選択ではない場面は多々あります。細やかな内容よりも、この状況を「穏便にやり過ごしたい」という、素直で正直な気持ちを優先すると意識するならそれはそれで良いでしょう。このような全体を見渡した上での俯瞰的な視点をメタ認知と言いますが、是非メタ認知を育んでみてください。ベストは陰口のうまい交わし方を身につけるということになるでしょう。「へぇ、(あなたは)そう思ったんだぁ」「私はそういう状況になったことがないから、わからないけどねぇ」などと、あくまでも観察の態度、また、その情報を鵜呑みではなく参考にするといった態度をとると、自分のなかの一貫性が保てて、自己肯定感が損なわれることを防げるでしょう。
Photo: Getty Images Text: You Hirano
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プロフィール:
川畑のぶこ 心理療法家
Endicott College(米)卒後、外資戦略系経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国で通訳・コーディネーターとして独立。通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。その後日本に帰国し、心理療法の啓発・普及に努める。現在、都内を中心とした医療機関でがん患者や家族、またメンタルの問題を抱える人々にカウンセリングを行うほか、医療従事者やセラピスト向けの研修指導を行う。
著書:
・モノを捨てればうまくいく「断捨離のすすめ」(同文舘出版)
・「断捨離」私らしい生き方のすすめ(同文舘出版)
・ガラクタを捨てる生き方(三笠書房)
・怒りをスッキリ整理する(集英社)
・サイモントン療法(同文舘出版)
・「断捨離アンになろう!」(ディスカバー21)
他