特集
2017/12/01(金)

金曜日の毒母たちへvol.4―――女優マレーネ・ディートリヒ、娘を隔離した背徳の教祖

「3歳のときから知っていました。私に母親はいない。自分は女王さまに仕えているのだと」。豪邸に閉じ込め社会から隔離し、奔放な性生活を家庭に持ち込む。真綿で首を絞めるように娘を虐待した伝説の女優マレーネ・ディートリヒ、毒母の素顔とは。

> <

4/4

1931年、ビバリーヒルズの豪邸で。広大な庭園やプールを完備し、使用人も大勢いたが、マリアはここに閉じ込められて、学校にも通わせてもらえなかった。

Photo: Getty Images

戦地慰問ではGIたちと寝まくるニンフォマニア

マリアは映画界の生ける伝説である母親の裏と表の顔をすべて目撃した。マレーネは高級レストランで食事をしたあと、スタイルを保つためにトイレで吐く間、娘を見張りに立たせた。自分のことを三人称で呼び、特製の避妊具をつねに持ち歩いた。病院では黒人の看護師を拒否する差別主義者で、戦地慰問ではGIたちと寝まくるニンフォマニアだった。彼女は娘を自分の所有物のように囲い込み、友人を作らせず、ペットも禁止したため、マリアは精神的に追い詰められて一時はアルコール依存症になりかかったが、20歳で幸せな結婚をして、自分の人生を歩み始める。

母親は92歳まで生きたが、アルコールにおぼれ、自宅に引きこもって孤独な晩年を過ごした。

Original Text: Florence Trèdez  Text: Izumi Matsuura

MORE TOPICS

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト