金曜日の毒母たちへvol.4―――女優マレーネ・ディートリヒ、娘を隔離した背徳の教祖
「3歳のときから知っていました。私に母親はいない。自分は女王さまに仕えているのだと」。豪邸に閉じ込め社会から隔離し、奔放な性生活を家庭に持ち込む。真綿で首を絞めるように娘を虐待した伝説の女優マレーネ・ディートリヒ、毒母の素顔とは。
娘を「あの子供」と呼ぶ
「3歳のときから知っていました。私に母親はいない。自分は女王さまに仕えているのだと」。
マリア・ライヴァは1992年に刊行した回想録でこう告白している。彼女の母はマレーネ・ディートリヒ。超絶的な美貌をもつ世界的なスーパースターは、娘に対して絶対的な権力者としてふるまった。マレーネは娘を名前ではなく「あの子供」と呼び、子供が成長するのを嫌がった。自分が老けて見えるからだ。
少女時代のマリアと母親の写真は、なるべく子供を小さく見せるよう、つねに俯瞰かバストショットで撮影されている。マリアは長い間自分の年齢を教えられず、12歳になるまで、本当の父親が誰だか知らなかった。身体的に虐待されていたわけではない。
Original Text: Florence Trèdez Text: Izumi Matsuura