金曜日の毒母たちへvol.4―――女優マレーネ・ディートリヒ、娘を隔離した背徳の教祖
「3歳のときから知っていました。私に母親はいない。自分は女王さまに仕えているのだと」。豪邸に閉じ込め社会から隔離し、奔放な性生活を家庭に持ち込む。真綿で首を絞めるように娘を虐待した伝説の女優マレーネ・ディートリヒ、毒母の素顔とは。
対面を保つためだけの仮面夫婦
マリアが生まれたのは1924年。父親はマレーネが1921年に結婚したルドルフ・シーバーという助監督だったが、マレーネは出産後、夫との性的な関係を一切断つ。そして次から次へと恋人を作っては捨てることを繰り返した。マレーネはバイセクシュアルで、関係を持った男女のリストは驚くべきものだ。
彼女をスターにした監督フォン・スタンバーグ、コレット、ガートルード・スタイン、エディット・ピアフ、作家のラマルク、ジェームス・スチュアート、ジャン・ギャバン、フランク・シナトラ、ユル・ブリンナー……。夫にもターミという名前のマレーネ公認の愛人がいて、対面を保つためにマリアの家庭教師ということになっていた。
Original Text: Florence Trèdez Text: Izumi Matsuura