特集
2017/12/08(金)

金曜日の毒母たちへvol.5―――ジャイド・バリモア、幼い娘を夢の道具にしたステージママ

天才子役にしてハリウッドに燦然と輝く成功を収めた女優ドリュー・バリモアを酒と薬物に染め、夜の世界に追いやったパーティママ、ジャイド・バリモア。その陰には母を失った空っぽな幼少期があった。

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母娘ペアルックが予感させる、大人の子ども返り。

Photo: Getty Images

子どもは早熟し、大人は老いを拒否するハリウッド

現在42歳になったドリュー・バリモアは母を許しつつある。会話をするようにもなった。14歳から心理療法士の指導を受けながら生活し、何年も荒れた環境で過ごしたが、今も母の生活を支え続けている(別離後浮浪者にまで身をやつした父も彼女が引き取り看取った)。逆転した親子関係が、彼女たちの日常になっていることは確かだ。毒されたふたりの歩みのなかで、ドリューはあまりにも早熟し、母は老いることを拒否した。
 
彼女によれば、ハリウッドの享楽の場では誰もそこにいる人の年齢を知らないし、知ろうともしない(実際彼女はいまだに正確な誕生日を教えられていない)。ドリュー・バリモアも自分の年齢を考え、自分が子供だと自覚していなかったし、周囲の大人と同じようになりたいと願い、大人たちは若者の仲間になりたがっていた。でも皆が年齢を否定するとどうなるか。大人たちは大人としての責任を否定するようになる。行く先々で自分と同じようなファッションとメイクで着飾った“友達”に会っては、また別の“友達”に次々に会いに行く……。

お立ち台で踊るドリュー・バリモア。このとき10歳。

Photo: Getty Images

ある一定の年齢以上の人なら、子ども時代のドリューが大きなお友達と同じようなメイクとファッションで、まるで「小さなレディ」のごとくディナーパーティをはしごする姿を思い出す人も多いだろう。その結果、最初に飲酒してから4年もすると、一晩でビール15本を空にしてしまう立派なアルコール中毒になった。毎日気を失うまで飲み、気づくと母はそばにいない。それでもジャイドは気にしない。13歳で娘がバージンを失ったときですら放置した。なぜ?
 
ジャイドはこう正当化している。「あの頃は娘を支配するステージママみたいな態度を改めなきゃって思ってたのよ。もっと子離れしなきゃって。結局できなかったけど」。

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