金曜日の毒母たちへvol.5―――ジャイド・バリモア、幼い娘を夢の道具にしたステージママ
天才子役にしてハリウッドに燦然と輝く成功を収めた女優ドリュー・バリモアを酒と薬物に染め、夜の世界に追いやったパーティママ、ジャイド・バリモア。その陰には母を失った空っぽな幼少期があった。
ドリュー・バリモアを9歳で酒浸りに
「ジェイドさん、9歳で娘さんをバーやパーティに連れて行ったとき、あなたはどこにいたんですか?」
多くのセレブを友人にもち、全米で絶大な尊敬を集める司会者であるオプラ・フィンフリーもジェイドが悪びれる様子もなく、さらりと口にしたこの回答にうろたえるしかなかった。
「パーティには娘をよく連れて行ったものよ。だってそれも仕事の一部だもの。そんなときはそれぞれ別行動だし、とくに問題があるとは思わなかった。しっかり見張るようなことはしなかったわ」。
このとき隣には『E.T.』で天才子役として話題になり、あっという間にAリスト入りしたドリューがいた。わずか13歳で飲酒・薬物騒動の渦中にいて、今まさにオプラを目の前にスキャンダルの真相を母と告白しようとしている瞬間にも、母ジェイドは大したことでもないとでも言うかのように、堂々としていた。
「最初はシャンパン2杯からのスタートだった」。ドリューは9歳で飲酒を始め、10歳で喫煙、12歳では薬を鼻から吸い込んでいた。被告席に座っているにも関わらず、目は据わり、明らかに悪態をついている娘を横に、母は慌てることもなく焦りも見せない。ジェイド・バリモア、ドリューの“マメージャー(Mom+Manager)”はこの後、人々に「悪夢のような女」として知られることになる。