特集
2016/12/22(木)
早耳調査隊が行く

日本愛炸裂! 永遠の憧れ、スカラ座「蝶々夫人」開幕で冬のミラノがアツい

今年で国交150周年を迎えるイタリアと日本。その記念として、2016年ミラノでは万博での日本ブース出展や葛飾北斎の浮世絵展など日本にちなんだイベントが開催されてきた。そのトリを飾るのが、スカラ座のオープニング・オペラに選ばれた「蝶々夫人」。街中がマダム・バタフライ一色になったクリスマス直前のミラノの様子を、現地エディターのサラワカさんがリポートします。

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貴重なフジタのデザイン画。ちなみにマリア・カラスは「蝶々夫人」の曲をレコーディングしたことはあるが、オペラで蝶々夫人を演じることは一度もなかった。

Photo : Ivan Grianti

ファッションマニア垂涎! 森英恵ら伝説の着物展に注目

これまで様々な形を変えて公演されてきた「蝶々夫人」の衣裳達には、おしゃれなミラノっ子も大注目! まず話題となっているのが、海外で活躍した日本人画家の先駆者でもある藤田嗣治が、生涯で唯一デザインを手掛けたオペラ舞台用の着物。彼独特のスタイルは、イタリアを代表する歌手のマリア・カラスにも愛用されたほど。

Photo : Ivan Grianti

今回展示されている着物は、乳白色を特徴とした薄い水彩画のような淡い色と、深みのある色が見事にグラデーションになっていたり、なかには春に咲き誇る花を連想させるようなピンクや、夕焼けの空をイメージさせるようなオレンジが使われているものも。

Photo : Ivan Grianti

ほかにも、舞台衣装デザイナーのカランバが1925年に蝶々夫人の公演に向けデザインした着物が展示されている。アールデコの影響を受けた着物に、レトロな扇子や太鼓がデザインされている。生地には黄緑や紫などのとてもはっきりした色が使われており、いかにも舞台映えしそうなカランバならではの色合い!

(左)「ハナエモリ」デザインの衣装 (中央)デッサン画と記事見本 (右)裏地に浮世絵

Photo : Ivan Grianti

展示物の中でも特に目を引くのは、日本ファッション界ではパイオニア的存在のデザイナー・森英恵が1985年にデザインした着物。黒いシンプルな布地に葛飾北斎の浮世絵で知られる赤富士が描かれていたり、上品な紫色の生地に白い蝶々がひらひらと飛ぶようにデザインされ、それに蝶の形をした帯を加えたりと、とても女性らしくてファッション的な要素が多く見受けられる。実はイタリアで紫色は死を意味し、蝶は魂を表すため、この色柄をオペラの舞台衣装に使ったということは、イタリア人にとってはとても大胆で衝撃的な内容だったのもポイント。

Photo : Ivan Grianti

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