S：嫌いな人に好かれて、好きな人には振り向かれないっていう話もよくありますよね。
 
H：その場合、どうでもいい人にはありのままでぶつかってるから好かれるんです。好きな人には自分を繕ったり、無理してるから好かれない。
 
S：追うのをやめると向こうが追ってくるというのも、“恋愛あるある”ですよね。
 
H：誰かを追っているときって「絶対にあなたじゃなきゃダメだ」としがみついてるんです。追うのをやめたということはその執着を手放して、本来の自分に戻ったということ。その状態で相手がきちんと自分のほうに来るのであれば、もともと無理して執着しなくてもつながるべき相手だったということですよね。
 
S：知人の話なんですけど、セックス面でご利益があるという神社にお参りにいって大根をお供えしたら、実際にセックスは叶ったけれど、無理矢理叶えたからなのか、その相手と離れられなくなってしまったという話が……。
 
H：ストーリーを作り上げてしまっているんですよね。出会う前から、あの神社に行って、運命の人に出会って、っていう思い込みの世界を作り上げて、それが強固になってしまったんだと思います。
 
S：妄想し続けていると脳が勘違いして、実際に起きていることが見えなくなるっていう説もあるようです。
 
H：だから書いて忘れるぐらいの適当なスタンスがいいんですよ。
 
S：「叶え、叶え」みたいに念じすぎないってことですね。
 
H：ただ、執着しているときに無理矢理、手放そうとしても無理なんです。「手放さなきゃ」って思うのもストレスになるし、悲しみを感じているときに逆の状態になろうとするのも心に対する抵抗になるんです。だからもし執着したいと思ったら、徹底的に執着してみる。とにかく心の声に逆らわないことがいちばん大事です。