S：掃除とか家事をやりたくない人は、実際にやめてみると、男の人がやってくれたりするんでしょうか。
 
H：私も以前はそうだったんですけど、仕事をがんばって必死に生きていると、男性に頼りづらくなりますよね。そうすると、頼られない男性のほうもどんどん弱くなっていくんです。だから自分ができるパートをやって、できないことは頼る。「自分ができないことはやらなくていい」と決心すると、できないことを誰かにお願いしてやってもらわなければいけない。そうすると、それまで常に100％を使っていたエネルギーが20％ぐらいで足りるようになって、ここぞというときに100％を出せるようになるんです。
 
S：働いている人は、日常的に100％のエネルギーで生きている人が多いですよね。
 
H：そうですね。あと心の声に従って生きていると、予想外のことが起きます。「やらない」と決めたら別の人がやってくれたり、そもそもやる必要がなくなったり、奇跡が起きることも。そうやって日常的に心に従った選択を積み重ねて苦しみを少しづつ減らしていくと、重要な局面できちんと決断できるようになるんですよ。
 
―パートナーに不満がある人はどうすればいいのでしょう？
 
H：たとえばパートナーがゴミ捨てをしてくれないとイライラしているなら、勇気を出して「捨ててくれる？」と言ってみる。そうするといろいろと動き出します。
 
S：それも紙に書いたほうがいいんでしょうか。
 
H：書かなくても大丈夫です（笑）！
 
S：そういえば、パートナーの男性を褒め続けていたら実際にすごく収入がアップして、そのせいで他の女性に走っちゃったという知人の例があったんですけど、そうやって男性の運気を上げることもできるんですか？
 
H：できます。その人の価値をまるごと受け止めて肯定してあげれば、潜在能力をどんどん引き出せますよ。もちろん無理して褒める必要はないですけど、いいところを見つけて褒める。人って、「あ、いいんだ」とリラックスして力の抜けた状態がいちばん力を発揮できるんです。だからパートナーをその状態にもっていくことが大事。
 
知人の話なんですけど、旦那さんが子どもの学費を払わなきゃいけないからと毎日つらそうに会社に行っていて、体調も崩してしまったらしいんです。奥さんは専業主婦で夫が辞めたら働かなきゃいけないから怖くて「辞めたら？」とは言えない。だけど私はまず旦那さんのことを考えて、「お金がなくてもいいじゃん、大丈夫だよ。辞めれば？」って言ってあげるようにアドバイスしたんです。「やらなきゃ」にとらわれてギュッと縮こまっているのをフワッと解放してあげる。そうしたら旦那さんの表情が一気に明るくなって、その後、働きやすい部署に異動が決まったらしいんです。
 
S：男性もポジティブになって。
 
H：全体的な安心感ですよね。「俺が辞めてもいいのかも」って。自分が働かないと家族が不幸になるって思いながら、本当は嫌な仕事をしていたんですよね。その考え方を変えたら、好転した。