―「引き寄せの法則」というと、欲しいものやなりたい自分をイメージすることで、実際にそれらが引き寄せられる……と言われていますが、具体的にはどうすればいいのでしょうか？
 
Happyさん（以下H）：いちばん大切なのは、自分の心が「楽しい」と思うことだけをやることなんです。たとえば食生活やダイエットも、それが本当に好きでやっているならいいんですけど、「体にいいから」「痩せるから」といった情報だけに従って、本当は嫌なことをするのはただのストレスなんです。だから結果が出なかったりする。
 
辛酸さん（以下S）：それは本能とか直感に近いものなのでしょうか。
 
H：そうですね、私は“心の反応”と呼んでいるんですけど。たとえばパクチーが嫌いっていうのは“心の反応”なので理由はわからないんです。それを無理矢理、抑えこんで好きになろうと取り繕っても、心は嫌いなまま。
 
S：心が嫌いなものは、体にも合わないものなのかもしれません。
 
H：日常生活でも、「この会は出ておいたほうがいいな」とかメリットを考えるよりも、私は自分の気持ちに「行きたいか？」と聞くんです。気持ちが「行きたくない」ならその時間を趣味の時間にあててみる。本当は行きたくないのに苦しい表情で会に参加するよりも、好きなことをしていつも楽しい顔で過ごしていれば、会に出なくたって人間関係がうまく回ったりするんですよ。
 
S：私の知り合いで、「年下のイケメンと結婚したい」とか「○○に家を建てたい」とか書いていたら、本当にそうなった人がいたんですけど、それも“引き寄せ”なのでしょうか。
 
H：願いを書き出すことって、自分の心の声を聞いてあげるのと同じなんですね。現代ってみんな思考で会話してるんです。みんな、心がしゃべる前に思考がしゃべり出す。だからまず自分の心に向き合って、今の環境や条件を全部無視して、ノールールだったら何がしたいかな、と考えてみるんです。
 
S：以前、願いごとを書いてみたことがあったんですけど、内容がフワッとしていたから効果が感じられなかったのかもしれません。おそるおそる「増刷」と書いてみたこともありましたけど、誰かに見られたらどうしよう……と。
 
H：叶えたいことを書いているときの感情がとても大事なんです。ほとんどの人がそうなんですけど、心のなかで「でも無理」と思ってたら、絶対に叶わない。だけどいきなり「何億円稼ぐ！」みたいな願望を書いても当然「できない」と思ってしまいますよね。だから私は、3日後、5日後に自分ができそうな範囲の願いを書くことから始めたんです。ブログのアクセスが10増える、30増える、みたいに。それが実現すると日々がだんだん幸せになって。そこから少しづつ願いのハードルを上げていったんです。その積み重ねで、アクセスがゼロだったブログスタートから半年後に、夢だった書籍を出版することができました。
 
S：“引き寄せ”にも練習が必要なんですね。
 
H：はい、トレーニングです。願いを書き続けていると、どんどん図々しくなっていくんですよ（笑）。私は以前、人からどう見られるかとか、世間がどうとかばかり考えていて、自分の心と向き合っていなかったんです。だから願望を書くとすごく恥ずかしくなりました。だけどそれって自分自身を欺いているというか、「私は誰を生きてきたんだろう？」って。