1978年
ヴァネッサ・レッドグレイヴ、助演女優賞
オスカー史上で最も物議を醸し、大きなブーイングが起きたスピーチといえば、ヴァネッサ・レッドグレイヴが『ジュリア』で助演女優賞を受賞した時に行ったスピーチだ。同作品でジュリアはナチスと闘う女性運動家という役どころを演じていたのだが、ユダヤ防衛同盟はその夜、彼女が親パレスチナグループのドキュメンタリー『The Palestinian』に関わっていたことに抗議してピケを張った。受賞挨拶で、彼女はドイツのファシストと闘った人々に賛辞を述べたのだが、同時に”シオニストのごろつきども”から受けた脅迫行為についても非難。そのきわどい表現に会場は大ブーイングとなった。最後は、改めてこれからも反ユダヤ主義と闘っていくことを誓い、スピーチを締めくくっている。
Translation, text : Naoko Ogata Photo: Getty Images