特集
2016/02/12(金)
音楽ジャーナリスト、伊藤なつみさんが緊急解説!

いよいよ週明け開催! グラミー賞2016で注目すべきトピックスを総まとめ

現地時間2月15日(月)の夜に授賞式が開催される、第58回グラミー賞。最多ノミネートのケンドリック・ラマーをはじめメッセージ性の強いアーティストが揃うなか、豪華なパフォーマンスも続々と発表され、ショーとしても楽しめる内容になりそう。そこで、ノミニーの解説から受賞予測、はたまた番組としての「グラミー」のあり方まで、音楽ジャーナリストの伊藤なつみさんが力説! これを読めば授賞式がおもしろくなること間違いなし。

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ケンドリック・ラマーの「オールライト」はメッセージ性の高い楽曲として注目されている。

最多ノミネートのケンドリック・ラマーに注目

今回のグラミー賞の目玉は9部門11ノミネートされたケンドリック・ラマー。黒人の若者のニュー・リーダー的存在である彼は、いつもメッセージ性の強い作品を発表していて、最新アルバム『To Pimp a Butterfly』(“地を這う幼虫から美しき蝶へ”という意味)のアルバムジャケットもホワイトハウスの前に札束やアルコールの瓶を抱えたゲットーの黒人が群がっているように、人種問題や社会問題などに言及。また父親がジャズ・ミュージシャンであるため音楽的素養も素晴らしく、ヒップホップはもちろん、ジャズやブルースなども総括するような濃い作品に仕上げている。
 
2年前には7部門にノミネートされたものの1つも受賞できず、今回は「全部受賞するつもりだ!」と強気の発言。当然パフォーマンスでの出演が決まっていて、どんなメッセージを伝えるのか注目が集まっている。というのも、2年前はカリフォルニア州の同性婚の合法化に合わせて、マックルモア&ライアン・ルイスが「SOME LOVE」のパフォーマンス中に34組のカップルが指輪の交換を行ない、クイーン・ラティファやマドンナもサポートしたこともあって、大変話題になり、昨年もファレルがパフォーマンスの中で黒人の少年が白人の警官に射殺されたことをイメージさせるような動きを見せているため。全米はもちろん、世界中の人が視聴している番組だけに、メッセージを発する場としてアーティスト側の意識も高いからだ。

Text: Natsumi Itoh

  • 【グラミー賞2016 主要4部門ノミネート一覧】
     
    ●年間最優秀レコード候補
    ディアンジェロ・アンド・ザ・ヴァンガード 「Really Love」
    マーク・ロンソンft. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk」
    エド・シーラン「Thinking Out Loud」
    テイラー・スウィフト「Blank Space」
    ザ・ウィークエンド「Can’t Feel My Face」
     
    ●年間最優秀アルバム候補
    アラバマ・シェイクス『Sound & Color』
    ケンドリック・ラマー『To Pimp a Butterfly』
    クリス・ステープルトン『Traveller』
    テイラー・スウィフト『1989』
    ザ・ウィークエンド『Beauty Behind the Madness』
     
    ●年間最優秀楽曲候補
    ケンドリック・ラマー「Alright」
    テイラー・スウィフト「Blank Space」
    リトル・ビッグ・タウン「Girl Crush」
    ウィズ・カリファ ft. チャーリー・プース「See You Again」
    エド・シーラン「Thinking Out Loud」
     
    ●最優秀新人賞候補
    コートニー・バーネット
    ジェイムス・ベイ
    サム・ハント
    トリー・ケリー
    メーガン・トレイナー
     
     
    ★WOWOWにて日本時間2016年2月16日(火)9:00より独占生放送!
    http://www.wowow.co.jp/music/grammy/

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