シンプルすぎた“婚約指輪”
そして、キャロリンがその「義母の最後のパートナーからもらったリングのレプリカ」であるエンゲージメントリングを身に着けていたのは2回だけ。どちらも1996年のジャッキー絡みパーティに出席した時。ただ、この頃はまだふたりはパパラッチの執拗な攻撃に会いながらも、「結婚」という言葉をかたくなに避けていた時期。その時に左手薬指にきらりと光る指輪に目が留まらなかった人はいないはずだが、ソリテールでもなく、ダイヤモンドだけでもないエタニティリングは単なる「プロミスリング」とみなされて、本物のエンゲージメントリングが出てくるのを待っていた可能性の方が高い。しかもキャロリン自身をはじめほとんどの人たちは、ジャッキーの婚約指輪と同じエメラルドとダイヤモンドのコンビネーションか、あるいはごく一般的な、ケネディ大統領の息子から贈られるにふさわしい、威風堂々たるソリテールリングを期待していたはずで、まさか天下のジョン・ジョンが贈った婚約指輪とは思わなかった可能性が高い。
Text: Ryoko Oh Photo:Getty Images