―自分で観る映画はどんなジャンルを観ますか。
　
コメディーとか平和なやつがいいです。メッセージ性が強いやつとか、重めのものはたまにはいいですが続けては観られないです。観終った後にすっきりしたり、楽しくいたい。「笑った！」とか、「くだらないなあ」と感じられる方がどちらかといえば、好みです。シビアなものは、ずしんと心に残って、受け止め過ぎてしまう。そういう自分を知っているので、観るとしたら必ず平和な作品をはさむようにしています。
　
―最近、観た爽快な映画は？
　
藤原竜也さんの『探検隊の栄光』はとても面白かったです。本当にくだらないことを本気でやっている映画なのですが、大好きです。本当に面白かった。
　
―コメディー（『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』）、アクション（『るろうに剣心』）など、なんでも得意な神木さんですが、ラブストーリーはどうなんでしょう？
　
少女漫画みたいな作品をやってみたいって、思ってはいるんですけどね。『脳内ポイズンベリー』は少女漫画でしたが、脳内だったので。
　
―『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』にはキスシーンがありましたよね。
　
確かに。でもあの作品は好きな子に会うためにどう地獄を脱出するかという話ですから。基本、地獄での話なので。一瞬、ラブストーリーだということを忘れます。（三浦）春馬くんと藤木（直人）さんが篠原（涼子）さんを取り合った「ラスト♡シンデレラ」のような、恋愛をテーマにしたドラマは憧れます。僕の場合、必ず何か問題が起きて、恋愛がサブになってしまうんです（笑）
　
―少女漫画は読むんですか。
　
なんでもというほど、全部、読み切れていなくて、まだまだ気になっているのが、たくさん、あるのですが、『ストロボ・エッジ』『360°マテリアル』とか、いま連載しているのだと『春待つ僕ら』『虹色デイズ』……結構、読んでいますね。自分で本屋に行って、選んでいます。
　
―どういう心境で読んでるんですか。
　
いまは普通に楽しんでいますが、最初は高校の時にモテたくて、勉強するために読み始めたんです。少女漫画って、女性から見たら、究極の理想の男子像だと思ったんです。美しいし、サラッとベタなことを言っても、おかしくない。それどころか、ベタすぎるのに、意外とキュンキュンする。毎回、自分もちゃんとキュンキュンしながら読んでいます。読み始めた当初は、読めば、何かヒントになるのではないかなと思っていたんです。立ち姿、言い方、目線の角度。そういうことがモテることに関係あるんじゃないかと読み始めたら、意外にも女子目線で楽しめたという。
　
―実行に移せました？
　
移す機会は残念ながらなかったです。少女漫画だからこそ、できることがいっぱいあるんだなって知りました。
　
―それこそ、映画で実行できたらいいですね。
　
やってみたいです。私生活でそれをやろうとすると、いろいろと「えっ？　嘘でしょ？」と引かれそうなことも、映画ならカメラアングルとかいろいろな技術で多少はよく観えるのかな、なんて（笑）。恋愛ものはやったことがないので、自分がどういう風になるのかわからないから、やってみたいです。
　
―じゃあ、いつか壁ドンを見せてください。
　
さらっと壁ドンできる大人になりたいです！（笑）
　
【編集後記】
無邪気なようでいて気遣いの人。それは子役時代から培ったものなのか、それとも天性のものなのか。神木くんに会うと、それが後者であることに気付く。かわいいかわいい子役時代のイメージが強いなか、20歳を過ぎてもなかなかその「かわいい」から抜け出せないでいるのかと思いきや、これがしっかり、なんとステキで聡明な大人になっていることか！　その魅力は後日公開する動画でもたっぷりお伝えするとして、とにかくインタビューでも動画撮影でも、こちらの求めることに120％で返そうとする誠実さに、きっとどの現場でも愛される理由が見えた気がしました。今年は3本の主演映画『太陽』『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』『君の名は。』（声の出演）に加えて、配役が誰になるのかと話題になっていた『3月のライオン』（2017年公開）の桐山零を演じることも発表。大人になった神木くんにこれからも注目したい！