ELLE MEN
2016/04/20(水)
注目のイケメンにELLEが会いに行く! Vol.7

仕事に友情に。22歳の神木隆之介にクローズアップ

子役時代、思春期、大人になってから。いつインタビューしても誰に対してもまるでお喋りを楽しむようにニコニコと応じてくれる神木隆之介。プライベートで友だちと過ごすときも、「どうやったら楽しんでもらえるか」とまず相手のことを第一に考えるそう。そんな彼のいまいちばんの仲良しが『太陽』(2016年4月23日公開)で共演した古川雄輝なのだとか。絶望的な近未来を描いた作品で、二人はどのように仲良くなっていったのだろうか。得意という共演者攻略法のほか、意外と詳しい少女漫画の話など、オンもオフもユニークな、神木ならではの発言が次々と飛び出した。

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言いたいことは言うけど平和主義タイプ

―近未来の話でありながら、格差社会を描いている『太陽』は実に日本らしい独特の世界観の物語ですが、神木さんは作品のどこに魅力を感じて、出演を決めたのですか。
 
僕の場合、事務所が決めた作品に出演させて頂いているので、厳密に言うと、この作品を選んだのは事務所なんです。最初に台本を読ませていただいたときの感想としては、内容がわからなかったですね(笑)。一回、二回読んでみても、難し過ぎて、全体を把握するのがやっとでした。内容が難しいということもありますし、SFのような設定もそう。人類が新人類の「ノクス」と旧人類「キュリオ」と二つに分かれているように、いつかわからない未来のことを描いていることもあり、“どういう街並みで、どんな雰囲気なんだろう”と、考えれば考えるほど、本当に何もわからなかったです。ただ、読んでいくうちに、僕くらいの年齢だと、全部わかるのは到底無理だから、純粋に感じたことだけを思って演じればいいと思うようになりました。それに僕が演じる鉄彦は映画のなかで、一番、何も考えていないキャラクターなので、何も考えずに演じるだけでした。一方で、彼はこの作品のなかで、唯一、希望に満ちたキャラクターでもあるので、太陽に近い場所にいる存在であることを心がけました。演じている最中に何か、気づくこともあるのかなと思いました。あるいは完成された作品を観たときに何か、改めて思うこともあるかもしれないと、思うようにしました。
 
―作品によっては、経験してないことを演じる場合も多いと思いますが、そういう場合は悩みますか。
 
想像できなかったりするので、難しいです。でも、ノクスに憧れたり、自分もいい生活をしたいと思ったりすることは、時代が進んでも、人間は同じ感覚なのだろうと思いました。特に高い知能を持つ洗練されたノクスと比べたら、キュリオはすごく人間くさいので、共感するところがいっぱいありました。キュリオは貧しいので、実際に衣装を着たり、泥をつけられたりすると、心から「ノクス側にいきたい!」って気持ちになるんです。特に撮影はすごく寒かったので、「ああ、ノクスはコートを着てる。僕も着たい」と本気で思いました(笑)。もちろん、それ以外にもありましたが、特に特殊な役作りはしていません。ただ、鉄彦の性格的に言動を荒っぽくしたところはあります。
 
―普段の神木さんは色も白いし、きっとノクス側ですよね(笑)。
 
確かにそうですね。監督とお話をしたときに、人間としての優しさも少しはあるけれど、本能で動いていいと言われました。悪口や人を傷つけるようなことも相手を気にせず、言ってしまうような、不器用な人物なんです。カチンときたら、すごく怒って、うれしいときはすごく喜ぶように、感じたままを全身で表現するようにしました。
 
―そうやって鉄彦を表現していくなかで、理解したこともありますか。
 
役を演じているときも少ししか、全体のことはわかっていなかったです。鉄彦自身、周囲の大人のもめごとなどは、まるで気にしないので、僕もそのまま、演じていました。鉄彦として、一番、思っていたことは「どうにかして、この状況を変えたい」ということです。そして、何でも変化させることは難しいのだと、気づきました。そのための一歩がどんなに大変なことなのかということも。そうはいっても僕は鉄彦のことしか考えていなかったのですが、それがよかったのだと思います。
 
―前向きでまっすぐな鉄彦に対して、どう思いましたか。
 
鉄彦はすごく純粋な人間。でもいろいろ核心をついてきます。賢いとか、鋭いということではなく、大人が隠そうとしていることをズバズバ指摘していく。そして、ガサツで不器用、自分勝手……悪いところしか、いま言っていないですね(笑)。でも、悪気はまったくなく、思いをゆがめることもないんです。
 
―自分とは違うタイプ?
 
そうですね。僕も言いたいことは言うタイプですが、平和主義者なので、そこが違います。僕は相手を油断させておいて、結構、言うので(笑)。

  • 『太陽』
    21世紀初頭。人類は夜しか生きられない新人類ノクスと太陽のもと、貧しく暮らす旧人類キュリオに分断されていた。ただし、キュリオに生まれた者でも、20歳までならノクスに転換できる。家族や友人を捨てて、自分の運命を切り開くのか。岐路に立たされた若者たちがそれぞれ下す選択は……。神木はキュリオに生まれ、ノクスに強く憧れる鉄彦役。ノクスでありながら制度に疑問を抱く駐在員の森繁(古川雄輝)と深い友情で結ばれる。2016年4月23日(土)公開。
    http://eiga-taiyo.jp/

Photo: Kisimari(W)  Styling: Keita Izuka  Hair & Makeup: INOMATA(&’s management)  Inteview & Text: Aki Takayama

  • 神木隆之介/1993年5月19日生まれ。埼玉県出身。99年、テレビドラマ「グッドニュース」でデビュー。以後、映画・テレビドラマを中心に活躍。映画『妖怪大戦争』(05)で第29回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。近年の出演作は、ドラマ「SPEC」シリーズ(10〜)、「11人もいる!」(11)、「家族ゲーム」(13)、「学校のカイダン」(15)、「サムライせんせい」(15)、『劇場版SPECシリーズ』(12〜13)、『桐島、部活やめるってよ』(12)、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』『神さまの言うとおり』(14)、『脳内ポイズンベリー』『バクマン。』(15)など。

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