ELLE MEN
2016/04/27(水)
『世界から猫が消えたなら』公開記念

佐藤健×川村元気スペシャル対談! “戦友”の二人が語る、映画『せか猫』

『告白』『悪人』『モテキ』などを手がけた映画プロデューサー川村元気の初小説で120万部を突破したベストセラー『世界から猫が消えたなら』(『せか猫』)が映画となって、このほど公開! 『エル・ジャポン』2016年6月号にも揃って登場してくれた主演の佐藤健と原作者の川村元気が語り合う、出会いと現在、そして未来まで。

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お互いのいい距離感が伝わってくる2ショット。

共通点は「メジャーのフィールドで、挑戦的な作品をやりたい」

――まず、二人の出会いを教えてください。
 
川村元気 『バクマン。』を映画でやるとなったときに、活劇風に漫画家を描きたくて「佐藤健と、神木隆之介のコンビでやったら、面白くなるかも」と直感的に思ったんです。それで出演してもらったのが出会いです。原作漫画の見た目でいくと、僕は神木くんが作画担当の最高で、健くんがストーリー担当の秋人の役が合ってると思ったんですけど、監督の大根仁さんが「いや、逆でしょ」と。言われてみれば確かに、健くんは『るろうに剣心』のクールなイメージがある一方で、実はハートは熱い人なのかも……と思っていたので。『バクマン。』ではその寒暖差が引っぱり出せるといいなと思いました。2012年だったと思います。
  
佐藤健 僕は川村さんと会ったとき、ざっくり言うと……、自分と話が合うなと思いました。仕事どうこうというより、普段からナチュラルに話ができる人ってなかなか少なくて。だから、一緒に仕事ができて、すごく楽しかったです。クリエーションやセンスもすごく共感できたし、もちろん作ってきた作品を見ても、いいなと思いました。
 
川村 日本の場合、俳優とプロデューサーがなかなか交わらないんです。でもハリウッドは俳優とプロデューサーが交じり合っている。ブラッド・ピットはハリウッドのトップのプロデューサーだし、『007』のダニエル・クレイグはプロデューサーも兼務している。そういう意味で僕は、俳優はプロデューサーに向いていると思っています。どっちも「この映画はどうしたら面白くなるのか?」ということを必死に考えているから。健くんとは「メジャーのフィールドで、挑戦的な作品をやりたい」という、狙ってるところが一緒だなと感じました。
 
佐藤 確かにそれは僕もすごくありますね。ちょっとかっこつけたいし、だからといって、「当たんないのは世間が悪い」とも言いたくない。やりたい場所で勝負していった方が、人生として幸せなんじゃないかって思っています。
 
川村 僕は俳優に対して「身体だけでなくて、アイデアがほしい」と思っているところがある。だから、俳優は勉強しないと生き残れないと感じてます。脚本を読めるかどうかも大きいけど、「シーンをこう膨らませよう」とか、「ここは予定調和を崩してみよう」っていうスタンスやひらめきがあるかどうかが大事で、『バクマン。』をやったときに、健くんはそこをものすごく考えていて、面白いなと思いました。

  • ©2016 映画『世界から猫が消えたなら』製作委員会

    『世界から猫が消えたなら』
    原作は2012年に発表され、120万部突破の川村元気による同名のベストセラー。余命わずかの30歳郵便配達員の「僕」の前に、自分と同じ姿をした「悪魔」が現れる。大切なものを一つ消すこととひきかえに一日の命がもらえるとしたら……。佐藤健が「僕」と「悪魔」の一人二役に挑戦、共演に宮﨑あおいほか。監督に数々のCMで広告賞を受賞し長編映画デビュー作『ジャッジ!』が高い評価を受けた永井聡、音楽に小林武史、撮影に中島哲也監督作品で手腕をふるう阿藤正一、脚本に次々と傑作を生み出す岡田惠和など、日本屈指のクリエイターが作り上げた涙だけでなくセンスにも溢れた秀作。
     
    2016年5月14日(土)より、全国東宝系公開。
    http://www.sekaneko.com/

  • 衣装:佐藤健/コート¥317,000 ニット¥98,000 スラックス¥92,000 ストール¥55,000 川村元気/ジャケット ¥250,000 Tシャツ¥58,000 パンツ¥85,000/以上ルイ・ヴィトン
     
    問い合わせ先/ルイ・ヴィトン クライアントサービス tel.0120-00-1854
    http://www.louisvuitton.com/

Photo : Saskia Lawaks Styling:Hidero Nakagane/ S-14(Takeru Satoh) Hair & Makeup:Nobu Fujiwara Interview & Text:Yuka Okada

  • 佐藤健/1989年生まれ。埼玉県出身。2006年デビュー。主な出演映画に『ROOKIES-卒業』(09)、『劇場版TRICK霊能力者バトルロワイヤル』(10)、『るろうに剣心』(12)、『カノジョは噓を愛しすぎてる』(13)、『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』(14)、『バクマン。』(15)、出演ドラマに『龍馬伝』(10)、『とんび』(13)、『天皇の料理番』(15)。16年は『世界から猫が消えたなら』に続き、主演作『何者』が10月15日に全国東宝系で公開予定。
     
    川村元気/1979年生まれ。横浜市出身。映画プロデューサーとして『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『バクマン。』などの映画を製作。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、翌11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年に、初小説『世界から猫が消えたなら』を発表し、同作はミリオンセラーとなる。翌年、絵本『ティニー ふうせんいぬのものがたり』を発表し、同作はNHKでアニメ化され現在放送中。14年には、絵本『ムーム』を発表。同作は、Robert Kondo&Dice Tsutsumi監督によりアニメ映画化された。その他の著書として、宮崎駿・糸井重里・坂本龍一ら12人との対話集『仕事。』、2作連続の本屋大賞ノミネートを受けた小説第2作『億男』、近著として養老孟司、若田光一、川上量生、佐藤雅彦、伊藤穣一ら理系人との対話集『理系に学ぶ。』、ハリウッドの巨匠達との空想企画会議本『超企画会議』などがある。

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