ELLE MEN
2016/04/27(水)
『世界から猫が消えたなら』公開記念

佐藤健×川村元気スペシャル対談! “戦友”の二人が語る、映画『せか猫』

『告白』『悪人』『モテキ』などを手がけた映画プロデューサー川村元気の初小説で120万部を突破したベストセラー『世界から猫が消えたなら』(『せか猫』)が映画となって、このほど公開! 『エル・ジャポン』2016年6月号にも揃って登場してくれた主演の佐藤健と原作者の川村元気が語り合う、出会いと現在、そして未来まで。

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佐藤さんが「勝たねばならない勝負作」と語った1月の完成報告会見より。左から制作を務めた市川南氏、プロデューサーの春名慶氏、佐藤さん、永井聡監督、川村さん。

10年後はプロデューサーとして原作を取り合うライバルに?

――共通点が多い二人ですが、川村さんが佐藤さんにもっとも共感する部分はどこですか?
 
川村 世の中には天才でやってきた人もいるし、ノリでうまくいっている人もいるんだけど、健くんに共感するのは本当にいろいろなことを“考えて”かつ“行動して”ここまでやってきたということです。
 
佐藤 そうですね。言い換えると、いいバランスでやりたいっていうのが、すごくあります。
 
川村 自分では10年後くらいにどんな感じになっていたいとかってあるの?
 
佐藤 そこはまったく未知ですね。考えないようにしているわけでもないんですが。
 
川村 ちなみに健くんは今年、俳優生活10周年だって聞いたけど、僕も映画を作り始めてちょうど10年なんです。だから、ある意味で同期なんだけど、ようやく最近になって「ここが気持ちいい場所だな」と思えるようになってきたのかなと。
 
佐藤 僕もそうですね。今の場所でずっと続けていけたらいいんですが、どうなるんでしょう。
 
川村 いずれにしても、健くんに頼みたいのは一筋縄ではいかない企画ですね。わからなかったり、見えていなかったりする作品であるほど、一緒に考えて作っていきたい。“戦友”だと思ってるんで(笑)。
 
佐藤 だとすると、僕はいつもわからない作品や役をオファーされるわけですから、つらい(苦笑)。まあ、それはそれで、面白いですけど。
 
川村 僕は俳優にはなるべく苦しんでほしいと思ってるんで(笑)。逃げ場をなくしたところで、絞り出てくるものをもらいたい。あと10年後という意味では、プロデューサー佐藤健と一つの原作を取り合うライバルになってる可能性はあるのかなと。俳優は接触するクリエイターの数も多いし、そのぶん何かをもらえるわけだから、ハリウッドの役者みたいに作るほうに行くチャンスがある。僕も負けないように、小説を書いたりしているわけだけど。
 
佐藤 もともと言われたことをやるのではなくて、「こうやったら、もっと面白くなる」ってことをやってきているので、公式に映画作りに携わってみたいなっていうのはなくはないですね。
 
川村 最後にさっき“戦友”って言いましたけど、悲しいかな、この世界の人間関係って、片方が仕事で脱落してしまったら、なかなか成り立たないと思うんです。だから、お互い緊張感をもってやってくしかなくて、健くんがハリウッドに行って、僕がぜんぜんだめになっていったら、友情も崩壊するわけなんで。
 
佐藤 まずは『せか猫』と、これからも「川村元気と佐藤健の映画は絶対に見ろ」ってことでお願いします!

  • ©2016 映画『世界から猫が消えたなら』製作委員会

    『世界から猫が消えたなら』
    原作は2012年に発表され、120万部突破の川村元気による同名のベストセラー。余命わずかの30歳郵便配達員の「僕」の前に、自分と同じ姿をした「悪魔」が現れる。大切なものを一つ消すこととひきかえに一日の命がもらえるとしたら……。佐藤健が「僕」と「悪魔」の一人二役に挑戦、共演に宮﨑あおいほか。監督に数々のCMで広告賞を受賞し長編映画デビュー作『ジャッジ!』が高い評価を受けた永井聡、音楽に小林武史、撮影に中島哲也監督作品で手腕をふるう阿藤正一、脚本に次々と傑作を生み出す岡田惠和など、日本屈指のクリエイターが作り上げた涙だけでなくセンスにも溢れた秀作。
     
    2016年5月14日(土)より、全国東宝系公開。
    http://www.sekaneko.com/

Photo : Saskia Lawaks Styling:Hidero Nakagane/ S-14(Takeru Satoh) Hair & Makeup:Nobu Fujiwara Interview & Text:Yuka Okada

  • 佐藤健/1989年生まれ。埼玉県出身。2006年デビュー。主な出演映画に『ROOKIES-卒業』(09)、『劇場版TRICK霊能力者バトルロワイヤル』(10)、『るろうに剣心』(12)、『カノジョは噓を愛しすぎてる』(13)、『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』(14)、『バクマン。』(15)、出演ドラマに『龍馬伝』(10)、『とんび』(13)、『天皇の料理番』(15)。16年は『世界から猫が消えたなら』に続き、主演作『何者』が10月15日に全国東宝系で公開予定。
     
    川村元気/1979年生まれ。横浜市出身。映画プロデューサーとして『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『バクマン。』などの映画を製作。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、翌11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年に、初小説『世界から猫が消えたなら』を発表し、同作はミリオンセラーとなる。翌年、絵本『ティニー ふうせんいぬのものがたり』を発表し、同作はNHKでアニメ化され現在放送中。14年には、絵本『ムーム』を発表。同作は、Robert Kondo&Dice Tsutsumi監督によりアニメ映画化された。その他の著書として、宮崎駿・糸井重里・坂本龍一ら12人との対話集『仕事。』、2作連続の本屋大賞ノミネートを受けた小説第2作『億男』、近著として養老孟司、若田光一、川上量生、佐藤雅彦、伊藤穣一ら理系人との対話集『理系に学ぶ。』、ハリウッドの巨匠達との空想企画会議本『超企画会議』などがある。

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