>
<

上)カメラを向けるとポッと赤くなるほど、恥ずかしがり屋のローラン。ドメーヌの入り口には、いろいろな形の帽子が飾ってあった。「これは、自分のこれまでの歴史みたいなもの。旅した記憶なのです」。世界各地での経験と出会いが、今の彼を作っている。 下・右)蔵には木樽がずらり。「ワインと酸素が適度に触れ合うから、木樽を使う」のだそう。香りをつけるのが目的ではないので、あえて古い樽を選ぶ。「ただ、木樽は手間がかかるのも確か。瓶詰をしたら、次の収穫までに洗ったり、手入れしたりしなくてはいけません。何しろ一人なのでね」と言いつつも、顔は嬉しそう。 下・右)左から、ピノ・グリを主に使った白ワイン、「ラシーヌ・メティス」、ゲヴュルツトラミネール(グラン・クリュ)の「マルクラン」、そしてピノ・ノワール。ぶどうの葉を描いたように見えるデザインは、よくみるといろいろな文字になっている。「エスプリ・デュ・ヴァン(ワインの精神)」という言葉を、彼が旅した国々の言語で記したものだという。「ワインは、言葉や宗教を超えて、人と出会い、分かち合う喜びをもたらしてくれるもの。それを表現しました」。ロマンチストなのである。

2/6

内なる思いをワインに込める、孤高のヴィニュロン

ドメーヌ・ローラン・バルツ

「ワインに理論は大切。そして想像も。ワインはイマジネーションによってどんどん広がりを持つことができる」。1998年からこのドメーヌを一人でになっているローラン・バルツ。もともとぶどう栽培をする農家に生まれた彼は、大学で醸造学を学んだ後、フランスの銘醸地で研修を積み、ワイン修行の旅に出る。レバノン、南アフリカ、アメリカ、インド、オーストラリアなど、世界各地でワインを学んでいたが、父の急死によってアルザスへと戻り、跡を継ぐことになった。「最初は、先代までと同じようにぶどうを協同組合に納めていましたが、少しずつワイン造りの準備を進め、2004年から自分の手でワインを仕込むようになりました」。彼もまた、自然に寄り添うようなワイン造りを志し、2007年にはビオ認証を受けた。「人の手を必要以上に入れず、シンプルにこの土地を表現するワインを造りたい。もちろん、100%コントロールすることはできないし、年によっては輪郭のはっきりしないワインが生まれることもある。けれど、それがテロワールであり、ヴィンテージなのだから、それはそれで受け入れたい」。現在、ドメーヌで働くのは彼一人。手伝いの学生がいるが、基本的には、畑仕事から販売まで、ほぼすべて自分で行っているという。冬の選定や、ワインができた後の瓶詰など、一人の作業は大変なのでは? 「畑仕事の時は、音楽やラジオを聴きながらやるととても集中できる。畑で、教育番組を聴きながら作業することだってありますよ。たしかに大変なときもあるけれど、自分の目と手の届く範囲でゆっくり進みたい」。とてもシャイな雰囲気とは裏腹に、心の中にはしっかりと自分の信念を抱いているようだ。これからどんなワインを生み出してくれるのか、楽しみにしたい。
 

>>ドメーヌ・ローラン・バルツのワインを買う

  • ドメーヌ・ローラン・バルツ Domaine Laurent Barth
     
    3, rue du Maréchal de Lattre, 68630 Bennwihr, France
    tel. +33.3.89.47.96.06
     
    ※見学可能。要予約。

  • このワインが買えます!
     
    ローラン・バルツ ゲヴュルツトラミネールV.V. 2012
    ¥3,780(税込)

    >>購入はこちら

「おいしいワインを求めて、アルザスへ!」トップへ

photos : Taisuke Yoshida

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

ELLE PR STORIES

注目ブランドをもっと見る

CONNECT WITH ELLE

グルメ・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト