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上)「インテリ醸造家」、ワイン好きが愛情こめてそう呼ぶのは、ドメーヌの当主、パトリック・メイエー。アルザスのビオディナミをけん引するひとりだ。中・左)奥に見えるのが、卵形のコンクリートタンク、「ウフ」。これを採用しているドメーヌはまだ少ないという。パトリックはこのほかに、古代のワイン造りで使われていたアンフォラも実験してみるつもりなのだとか。下・左)左のメール・エ・コキヤージュは、カジュアルに楽しめるライン。中央は、リースリング グリッテルマット、右はピノ・ノワール レ・ピエール・ショード。下・右)「気難しい」と言われることもあるパトリックだが、訪れる人には、ドメーヌの中にあるテイスティング・ルームに招き入れていろいろなワインを試飲させてくれる。一緒に飲んでいるうちに陽気になって、饒舌に語ってくれることも。

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知性、理論、そして実践。自然派ワインの求道者

ドメーヌ・ジュリアン・メイエー

「インテリ醸造家」……ドメーヌを現在切り盛りしているこの人、パトリック・メイエーのことをそう呼ぶ人も多いというが、ビオディナミを実践するヴィニュロンやワイン関係者の間では、知らない人はいないという有名人だ。理論家でありながら、なによりもすばらしいワインの造り手であるパトリック。このドメーヌは1705年から続く農家で、彼の代になって1980年代後半から完全無農薬の栽培を始め、1999年にはビオディナミに着手した。畑は決して広くなく、ゆえに収量も限られたものだが、「適正なサイズで適正な方法を使えば、適正な結果が出る。無理に畑を広げたり、生産量を増やしたりすることにはまったく興味がない」と言う。蔵では、ユニークなタンクを発見した。これはいったい……? 「ウフ(=卵、の意味)というものです。コンクリートタンクと呼ばれますが、ケミカルなものは入っておらず、粘土と石灰でできています。ステンレスタンクでは、ワインが呼吸できない。樽を使うと余計な成分が出てワインの厚みや香りが変わってしまう。このタンクならワインがリラックスした状態で呼吸ができるから、ぶどうそのものの可能性を無理なく引き出せるのです。ただ、どんなワインでもこのタンクを使えばいいというわけでもない」。パトリックのワイン造りの根幹にあるのは、「ぶどうの性格をきちんと出すこと」だという。「それぞれのぶどうに適した家をみつけて、そこに入れてあげるだけ。居心地のいい環境を作るのが私の仕事なのです」。気候など、さまざまな条件によって年ごとに少しずつ味は変わる。農業とはそういうものだ。だが、ぶどうの性格を知り、それに添った方法をとることで、「けっして揺るがないキャラクターがしっかり現れる」のだという。確固たる理論と技術を持ちながら、それに振り回されることなくぶどうの持ち味を存分に生かしたワインは、頑固で愛情たっぷりの“インテリ醸造家”が贈る、ぶどうへのオマージュのようだ。
 

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  • ドメーヌ・ジュリアン・メイエー Domaine Julien Meyer
     
    14 route du Vin, 67680, Nothalten, France
    tel. +33.3.88.92.60.15
     
    ※平日のみ見学可能。要予約。

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    ¥3,456(税込)
     

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photos : Taisuke Yoshida

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