グルメ 2013/1/24(木)
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見る、嗅ぐ、かむ、かまずに溶かす……テイスティングの方法は多種多様

ボンボン・ショコラをさらにおいしく味わうために、テイスティングの基本的なルールをうかがった。
 
「まずショコラの全容を見て、コーティングがきれいにかかっているかをチェックします。ショコラの下に余分なチョコレートがついていることをフランス語で“足”という意味で“ピエ”と呼びますが、これがないことがポイント。味わいの邪魔になるという考えで、ピエがついてないことがよいショコラの条件とされています。次に、アンリ・ルルーでは半分にカットすることをおすすめしています。半分にカットしたら、その断面を見てコーティングの薄さの度合いを確認します。そして、色や質感からセンター(中身)には何が入っているかを想像してみましょう。ガナッシュかプラリネか……。それによって気泡の有無をチェックします。ガナッシュならば、気泡はないほうが美しいと言えます。全体の構成を目で確認したら、ショコラの半分を口に入れてワインのように鼻に抜ける香りを楽しんでください。少しかんでみて、それがガナッシュだったら、ゆっくりと舌の上で転がして溶かします。そうすると香りがさらに立つので、香りを口の中でふくらませながらじっくりと味わっていただきたいですね」
 
センターに何が入っているかによって、かむかなめるかの違いがあるとか。では、今回選んだ6種のボンボン・ショコラはいったいどうやって食べたらいいの!? 「何種類かを同時にテイスティングする場合は、順番も大切です。次に挙げる順番で試してみてください」
 
1.口に含んで溶かして楽しむガナッシュ「ベネズエラ・ノワール」
ベネズエラ産のカカオを使った口溶けなめらかなボンボン・ショコラ。中の泡を真空にして空気を抜くことでなめらかさをより強調している。周りのダークチョコレートに負けないくらいハイ・カカオでフルーティなのがベネズエラ産の特徴。とにかくなめてそのなめらかな口溶けとシンプルな味わいをとことん楽しもう!
 
2.溶かしてからかみしめる2層構造「ヴェンヌ・ドゥ・ヴェニュス」
下の層はアップリコットのパート・ド・フリュイ。センターはヴェルヴェンヌという生の葉で香りづけをしたガナッシュを使用。ガナッシュをなめて溶かした後、かみしめることでヴェルヴェンヌのすっきりとした香りを口の中でいっぱいにふくらませて。
 
3.ショコラを溶かした後にかめば、驚きのスイーツに!? 「テュラン・レ」
下の層はイタリア産の栗を使ったマジパン、センターはラム酒を利かせたガナッシュで構成。最初はかむことでガナッシュを溶かし、かんで味わっていくうちにマジパンが現れるという仕掛け。全部を口の中で味わった後に出てくるのは何と、モンブラン! ラム酒の香る大人モンブランを楽しんで。
 
4.かんでから溶かすのがコツ! ヘーゼルナッツが香る「ジャヌー」
イタリア・シチリア島のヘーゼルナッツを使用したジャンドゥージャ「ジャヌー」。口溶けのやわらかいミルクチョコレートがコーティング。センターには、ジャンドゥージャとアーモンド入りのキャラメル・ヌガティーヌが入っているのでカリカリとした食感が魅力。かんで香りを口の中いっぱいにふくらませてから、なめるのがポイント。
 
5.かんでサクサク感を味わうごまの風味が上品な「GOMA」
煎った白ごまを使用した「GOMA」。ごまの香りや食感を残すようにプラリネにしたボンボン・ショコラ。かみしめてプラリネの香ばしさを口の中に広げるのがテイスティングのコツ。ホールのまま加えたごまのプチプチ感をかみしめ、ごまの香りを少しずつ引き出して。
 
6.溶かして確かめるキャラメルの妙! 「ルイゾン・パッション」
ブルターニュ地方の有塩バターを贅沢に使用。パッションフルーツと有塩バターとのハーモニーを口の中で溶かしながら、そのまろやかさを味わって。溶かしていくとバターの融点と共に中のキャラメルにしたパッションフルーツの香りや酸味のある味わいが現れる!
 

  • photo : Yukako Hiramatsu text : Akiko Kawagoe

    尾形剛平さん
    Kohei Ogata
     
    製菓学校卒業後、東京都内のパティスリーを経て渡仏。パリでアルノー・ラエールに勤務したのち、アンリ・ルルーにて修業、ルルー氏の薫陶を受ける。帰国後、株式会社ヨックモックに入社、商品開発に携わる。コンクールなどでの入賞歴を多数持つ気鋭のシェフ。
     
    >>アンリ・ルルーについてはこちらから

「ショコラ&キャラメルの“もっとおいしい”楽しみ方~Part 1:ボンボンショコラのテイスティング」トップへ

photos : Yukako Hiramatsu styling : Makiko Iwasaki text : Akiko Kawagoe

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