2014年3月20日、母のマリアン・ロビンソンと娘のサーシャ・オバマとマリア・オバマを連れて北京へ降り立つファーストレディのミシェル・オバマ。
服や贈りもの、ひとつひとつに敬意と心遣いを込めること
デレク・ラム(ファッションデザイナー)
「ミシェル・オバマはデザイナーにとって夢のような顧客だよ! なぜならファッションに関する決断力がとても鋭いからさ。彼女(の専属のチームに加えてスタイリストのメレディス・クープ)にはとても明確なヴィジョンがあって、自分に何がいちばん似合うのかが良くわかっている。ファッションを通して人々にどのような影響を与えたいかもとてもはっきりしているから、あやふやな決断をすることは絶対にないんだ。彼女に要求されて作った洋服は必ず着てもらえたし、ほかの面でもオバマ夫人のデザイナーやファッション業界に対する多大なリスペクトが感じ取れた。彼女に僕の洋服を着てもらえたことは間違いなくいままでのなかでいちばん誇れる功績のひとつだよ。
中国のファーストレディの彭麗媛夫人に贈り物をしたいと言われて、ミシェルに2度声を掛けられたことがあるよ。1回目はミシェルが最初に中国を訪問したときで、2回目はその数年後に彭麗媛夫人がアメリカを訪れたとき。オバマ夫人は、ふたつの贈り物に関連性があってほしいという心遣いを示したので、最初の贈り物として革製のハンドバッグを作り、2回目はそのバッグにあしらわれていたパッチワーク模様と同じものが施されたスカーフを制作したんだ。中国の伝統に敬意を表す色として、赤はもちろんのこと、中国では縁起の良いとされているひすいの色とターコイズブルーをミシェルと一緒に選んだよ。このように、ミシェルが取る行動のひとつひとつには、いつでも深い気配りがゆき届いていたよ。ミシェル・オバマのためにこれらのものを制作できたことは、中国系アメリカ人としての最高の名誉だった」
デレク・ラム(Derek Lam)
Interview & Text: Leah Chernikoff, Nikki Ogunnaike Translation: Rendezvous Photo: GETTY IMAGES