孤高の芸術家の素顔を5つのエピソードでひも解く③
3.三角関係も? モデルたちとの親密すぎる関係
妻のアネットや晩年の愛人カロリーヌ、弟のディエゴ、作家ジャン・ジュネや批評家ジェイムズ・ロードなど、ひとりのモデルに没頭するのがジャコメッティのスタイルだった。当然モデル側にも忍耐力が求められるが、その濃密で魅力的な創作の時間については何人かが著作に記している。1956年から何度もモデルを務めた日本人哲学者、矢内原伊作もそのひとり。「矢内原をモデルにしていたとき、『壊す勇気が必要だ』と、お昼に描き始めた作品を夕方には全部消してしまうということもよくあったようです。消沈する矢内原をジャコメッティが『ここからがスタートなのだ!』と慰めて(笑)。『1000年かかってもひとりの人間を作れないだろう』と言ったジャコメッティは、忍耐力のある人が現れたら、そのモデルだけで一生作り続けたかもしれませんね」
Text: MAYUMI YAWATAYA Illustration: NAMEKO SHINSAN
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「ジャコメッティ展」
6月14日~9月4日
㊡火10:00~18:00(金・土~20:00)
国立新美術館 企画展示室1E
一般¥1,600ほか
※10月14日~12月24日、
豊田市美術館へ巡回。
お問い合わせ/
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
www.tbs.co.jp/giacometti2017/
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