彼女と共にすべてが始まったヌーヴェルバーグの花嫁
アンナ・カリーナ
スカートの丈が短くなり、ヒッピーが反戦を訴えるなど、既存の常識をひっくり返すカウンターカルチャーが世界中で生まれたのがこの時代。そして映画もその例外にあらず。 「そんなやり方ではつまらない!」と当時の業界関係者たちに牙を剥いた若き日のトリュフォーは、盟友ゴダールとともに〈ヌーヴェルヴァーグ〉と呼ばれる自由で型破りな映画作家の旗手となった。美しい女性を美しく撮ることに長けた彼らにより、この時代には個性的で、永遠に色あせない唯一無二の魅力を放つ女優たちがたくさん登場する。
まずは、やっぱりアンナ・カリーナである。いわずと知れたゴダールのミューズで、その大きくすました瞳とコケティッシュなかわいらしさは、50年近く経った今観ても最高だ。主演作は多数あるけれど、前髪みじか族(自分です)としては『はなればなれに』 ('64年)を推したい。
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『はなればなれに』('64)
推理小説好きのフランツとアルチュールは、美しい オディール(カリーナ)にひと目惚れ。ある日、オディールが叔母の家に隠された大金を見たことから、3人は強盗計画を立てる。
文・選 aggiiiiiii(ジン『KAZAK』編集、発行人)
Photo: AFLO、GETTY IMAGES
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aggiiiiiii
アギージン『KAZAK』編集、発行人。写真家コリーヌ・デイのファンジンや、ソフィア・コッポラ監督作『ブリングリング』のオフィシャルファンジン、「わたしたち世代のフェミニズム」などをテーマに発行している。http://kazakmagazine.blogspot.jp/ -
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