「90分のゴールデンタイム」と「成長ホルモン」のイイ関係
「先ほど述べた『90分のゴールデンタイム』が睡眠の質とどう関わっているかというと、まず、この眠り始め最初の90分で成長ホルモン(グロースホルモン)が最も多く分泌されます。これは、成長期の子供だけに必要なわけではなく、細胞の増殖や代謝の促進など体の修復に必要なホルモンです。エイジングケアにも効果があるといわれています。これがきちんと分泌されることがまずひとつ。
そしてもうひとつは、この始めの90分の深い眠りを取ることで『眠りたい』という欲求(睡眠圧)の多くから解放されるので、目覚めもすっきりしますし、日中も『寝たのに疲れが取れない』という悩みもなくなるはずです」
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西野精治先生
スタンフォード大学医学部精神科教授。同大学睡眠生体リズム研究所(SNCラボ)所長。医師、医学博士。87年に渡米後、突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に全力を注ぐ。「睡眠の謎を解き明かして社会に還元する」を命題に日々研究を進める。著書『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版刊 ¥1,500)がベストセラーに。現在は研究のかたわら、寝具の研究開発や多数の講演、TV出演なども行う。
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