ジェンダーはフルイディティが時代のキーワード
ファッションから赤ちゃんの名づけ、そしてトランス・ジェンダーのアイコンまで、“今”を語るためのキーワード“ジェンダー・フルイディティ (ジェンダーの流動性)”。来年のアカデミー賞確実と噂され公開前にも拘わらず今もっとも話題の映画『The Danish Girl(邦題:リリーのすべて)』で描かれた主人公夫婦、ゲルダ&アイナー・ウェゲナーの人生とともにいち早く解説!
テレビ界もフルイディティが表舞台に
ジェンダーの流動性の認知度が高まるいっぽうで、セクシュアリティのそれは、既に大きなメインストリームになっている。「途中での変更もありうる」。それを体現するアイコンとして今大人気なのがテレビドラマ「オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック」に出演中のルビー・ローズ。
オーストラリアのリアリティ番組でデビューしてからはゴシップ欄でだけ「セクシュアリティはどっちなの!?」と探られるくらいだったものの、自身がレズビアンである事をオープンにし、女子刑務所を舞台としたNetflixの人気ドラマ「オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック」に起用されると、そのあまりの格好よさに男女問わず人気が集中。現在はセクシュアリティの流動性を代表するアイコン的存在と呼ばれるほどに。またそのファッションも注目の的で、各雑誌が特集を組むほど。これからも要チェック!
そのほか、ゴールデン・グローブ常連で、先日エミー賞で12冠という記録を達成したゴシック・ファンタジー「ゲーム・オブ・スローンズ」では、同性同士のカップルはもちろんのことパンセクシュアルやバイセクシュアルのキャラクター、そしてインターセクシュアルやトランスの人物も相当の割合で登場。ヘテロセクシュアルを前提にしてファンタジーを観る人々を大きく裏切る人物設定になっている。政治ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」では主人公の大統領がバイセクシュアルであることも匂わせている。もう、ヘテロの男女だけしか出てこないドラマはリアリティに欠け、目の肥えた視聴者の支持を受けられないのかもしれない。
Text : Ryoko Tsukada