「ハウス・オブ・カード」にエディターが再びハマる7つのポイント
2015年テレビ界の最高峰、エミー賞に11部門、ゴールデン・グローブ賞でも3部門にノミネートされた人気ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」。ついにネットフリックスが日本にも上陸し、最新シーズンの3&4がまとめて配信されたおかげで編集部で中毒者が続出。仕事に差し障りがありすぎて、「いっそのこと記事にでもしないと割が……」とのお達しがあり、ついに1年ぶりに座談会を実施。お仕事女子がハマるその理由とは?
上司と部下、同僚、そして夫婦。パートナーシップの正しいあり方を学ぶ
KEIICHI: では次はカップリングにいきましょう。ベストカップル or コンビ賞を挙げてください。
AKIKO: 私はヘザー・ダンパーとアシスタント。
YOKO.M: 誰だっけ?
AKIKO: 民主党の大統領候補。元訟務長官。彼女と彼女のアシスタントの関係が私の理想形なんですよ。上司と部下なんだけど、クリーンじゃないですか。お互い信頼している。フランクとダグの関係はちょっと気持ち悪いんですけど、彼女たちは依存しあっていないし、すがすがしい関係性。
YOKO.M: だからダンパーはアシスタントのミスで危機に立たされても、責めたりわめいたりしない。フランクだったら殺めているはず(笑)。
YOKO.U: 確かに。ああいう関係性が組織にあると健全だよね。仕事上の関係性としては理想のカップルかも。常に組織のことを考えて偉いね。私はやっぱりイェーイツとクレア。シーズン4の途中で止まっている者としてはこれからが楽しみ。
MANA: 私も途中なんで楽しみです。私のべスカップルは謎のハッカー、ギャヴィンとペットのモルモットですね。
KEIICHI: なんだよそれ!(笑) 確かにいたけどもさ。僕はリアン・ハーヴィー(写真)とクレアですね。慕い、慕われる、みたいな関係ではないんだけれど、お互いその能力を尊敬している感じが素敵でしたね。本当の意味で女同士の連帯を見ました。
YOKO.U: 最後まで観ていない私としては、クレアとイェーイツが気になる。
KEIICHI: 逆に嫌いなカップルは?
YOKO.M: 共和党の2人。コンウェイ夫婦。彼らが出てきてからストーリは俄然面白くなるんだけど!
KEIICHI: ですよね~。SNS使って家族でセット売りしているタイプ、大嫌いです。大体、“美しい夫像”をSNSでわざわざアピールする男が信用できるわけないじゃないですか。家庭が幸せじゃない証拠。某女性誌に出てきそうな、いちばんなりたくない夫婦像ですごい嫌悪感。
KANAKO: 結局仕事で追い詰められたら、奥さんに「早くしろっ」て八つ当たりしてたもんね。“美しい家族像”を演じている人の裏側をものすごく滑稽に描いているところが、たまらない。
YOKO.M: 側近も「こんなのやりたくないですぅ。止めた方がいいですよぉ」みたいに拒否するのに、「撮れや!」って怒鳴ってSNS動画撮らせるとか。偽善を恥ずかしげもなく表にできる人々。
YOKO.U: でもさ、それが意外と普通じゃない? フランクとクレアみたいな夫婦は実際にはなかなかいないよね。
MANA: 敢えていうならビヨンセとジェイ・Z?
YOKO.U: 政治力が拮抗する2人って珍しいんだよ。普通どっちかが劣るものだから。だから大ゲンカした後で、策略をめぐらして仲直りするように仕向けたりとかできる。かと思えば、髪の毛黒くして裏切ってみたりとかできる。だから、この共和党候補の夫婦のほうがリアルなんだよ。そこらへんにいそうだもん、こういう夫婦。
KANAKO: 私はダグとレイチェルがやるせない。シーズン4で再び登場するレイチェルだけど、ダグは忘れようとしても結局、執着してる。ずっと忘れられない存在だよね。でも、そこでレイチェルへの感情が、フランクへの“愛”とは全く違うってことに気づくの。やっぱりダグが愛しているのはフランクだったのよ。
YOKO.U: 私はダグって憎めない。登場人物たちが、自分の利益を考える合理主義者たちばかりじゃない? そこで唯一といっていいくらい“情”で動いているのが彼。たとえば落語とか歌舞伎の人情噺に出てくる主人公みたい。やってることはヒドイし非合理的なんだけど、なんだか同情してしまう。
KEIICHI: ダグ、僕はダメなんですよ~。ネタバレしちゃうから言えないけど、もう一人ダグが手を出す女性が出てくるじゃないですか。彼女も、自分が庇護しないといけない対象だから、執着してるだけで全然愛情じゃない。女性をペットとしてしか見てない男っているじゃないですか。最低ですよね。
MANA: 不気味ですよね。顔も腹話術の人形みたいだし、声もウィスパーだし。
YOKO.M: 下まつ毛だけ異様に長いところも!
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「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
日本にも上陸したコンテンツのオンラインストリーミングサービスの先駆け「ネットフリックス(Netflix)」制作の政治ドラマ。『ソーシャル・ネットワーク』『ゴーン・ガール』のデヴィッド・フィンチャー製作。長編映画のスターたちを終結し、映画級の緻密さや壮大さで、セレブのファンも多数。くジョディ・フォスターもファンのひとりで、シーズン2では監督も務めている。2012年にスタートし、現在シーズン4まで配信中。シーズン5の制作も決定している。
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公式サイト/ www.netflix.com/ハウスオブカード
公式インスタグラム/https://instagram.com/houseofcards/
予告編/ https://youtu.be/9I9O6YqN1EQ
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〈エル編集部“ハウス・オブ・カード中毒”患者一覧〉
ウェブ・プロデューサーAKIKO: 管理職として仕事術をこのドラマから学んでいる毎日。クレアの優秀さと同時に、女性としての苦悩に激しく共感。エディターKANAKO: カルチャー担当。海外ドラマを見るためなら現地にも出向く剛の者。海ドラでかるたができるくらいのネタを揃えている。
エディターKEIICHI: ファッション・フィーチャー担当。「ハウス・オブ・カード」を教科書に日々言いたいことも言えないこんな世の中をサバイブしようとしているドラマオタク。
エディターMANA: ファッション担当。「ハウス・オブ・カード」話で盛りあがる輪に入りたいがために観始めた初心者。ネット配信を利用し、ドラマの美味しいところだけつまみ食いする現代っ子。
エディターYOKO.M: オンライン副編集長。夜な夜な「ハウス・オブ・カード」を見続けてきたが、子どもが目にすると気まずいことも多いので、なかなか進まずに苦悩。エディターYOKO.U: カルチャー担当。舞台演劇もドラマも映画もとことん観劇するエンタメマニア。「ハウス・オブ・カード」におけるドラマツルギーに感激。