特集 2016/11/11(金)
FROM ELLE WORLD

ヒラリー落選に未だ沈黙中。ビヨンセが政治へ傾倒していった8年間を分析

レディー・ガガやケイティ・ペリーなど、ヒラリー・クリントンの選挙選に力を注いだセレブは数多くいるが、なかでもビヨンセは別格。Jay-Zとともに、オバマ大統領時代から全面的なサポートを惜しまず、この8年間、生み出す作品の政治色もどんどん濃くなっていた。今年リリースしたアルバム『レモネード』のミュージックビデオやツアーは、黒人女性としてのアーティスティックな面で彼女の理解と功績の進化を支えている。そしてパフォーマーとしての彼女の進化と並行して、公の場でのビヨンセの政治的な行動も変化し、成熟していった。今回、ヒラリーが破れてしまったことで、数多くの民主党支持セレブが嘆きのツイートを行っていたが、投票から約2日経った11月11日現在も、ビヨンセは沈黙を貫いている。彼女がいかに政治に傾倒していったか、その変遷を確認しながら、次なるアクションを待ちたい。

オバマ大統領の再選:2012年
 
ビヨンセは「Run the World (Girls)」でパワーを誇らしげに示した。これは「女性は本当に世界を動かすことができるのか」というフェミニストたちの批判を引き起こした。しかし大統領選後、資金や人員面での障害があるにもかかわらず、有色人種の女性たちは選挙における政治的な影響力をどうにかして行使し、その影響力には意味があった。ビヨンセがアルバム『4』をリリースした時点で、有色人種の女性たちは選挙民の中でより多くの割合を占めるようになり、彼女たちの投票率は歴史的な高水準に達していたのである。 
 
2012年、黒人女性は他のジェンダーや人種グループに比べて高い投票率を記録し、オバマ大統領の再選で大きな役割を果たした。「黒人の女性」という国民層の顔がビヨンセである。彼女とジェイ・Zはオバマ大統領のために資金集めパーティを開催し、何百万ドルもの資金を集めた。選挙当日、ビヨンセは不在者投票の用紙を見せ、大統領に対して精神的な指導力を発揮してくれたことを感謝する直筆の公開書簡を送った。
 
オバマ大統領の再選を応援した後、ビヨンセはオバマ大統領の2度目の就任式で国歌を斉唱した。楽天的で美しい歌声だと言われた「At Last」に対して、この国歌は口パクだと批判された。2期目はビヨンセにも大統領にも、ほんの束の間のハネムーンでさえ与えなかったのである。

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Translation & Text: Yoko Nagasaka  Photo: Getty Images

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