ジャンル別で発表! 映画ジャーナリストの2017年BEST映画【前編】
2017/11/23(木)
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『ローガン・ラッキー』より (C)2017 Incarcerated Industries Inc. All Rights Reserved.

コメディ映画BEST/山縣みどりさん

『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』
ダメ男な父親から「一夫一妻制はクソだ」と唱えさせられて大人になったコミットメント恐怖症のエイミーが本当に愛してくれる男性と出会って人生を見直すラブコメ。ヒロインが後腐れのないSEXライフを好む狩人で、恋人の青年医師はがさつと思われがちなスポーツ選手から「コスモポリタン」誌の記事みたいなアドバイスをもらうという男女逆転ぶりや女の本音丸出しの下ネタギャグで笑わせてくれる。ジャド・アパトゥとタッグを組んだ形で注目のコメディエンヌ、エイミー・シューマーが日本初登場したのもめでたい。ジョン・シナやティルダ・スウィントンら多数の人気スターがカメオ出演しているのもエイミー人気の証拠だし、見ないと損な1本。

『俺たちポップスター』
幼い頃から音楽の才能を発揮してセレブとなったコナー4リアルと仲間の諍いと仲直りを軸に音楽ドキュメンタリーを大いに茶化しまくっていて、最初から最後まで笑えるシーンの連続。コナーが金のなる木に作り上げられる様子や彼がまやかしの人気に溺れていく姿やファンの熱狂などでセレブ文化を上手にディスるのが特に素晴らしい。ジャスティン・ビーバーを愛する “ビリーバー”は激怒しそうだけど、コメディ好きなら大満足間違いなし。『サタデーナイト・ライブ』で結成され、実際に音楽活動も行なっているロンリーアイランドの才能にうっとり~。本人役で登場のアダム・レヴィーンやJTって洒落がわかるのねと妙に感動。

『ローガン・ラッキー』
スティーブン・ソダーバーグ監督にハリウッド復帰の決意をさせたのも納得の、意表をつく強盗コメディだ。まず最高に笑えるのがダニエル・クレイグでびっくり。安っぽいプラチナブロンドに悪趣味なタトゥーはどう見てもレッドネックだし、高血圧のためにフェイク塩を持ち歩くあたりがもうトホホ。科学知識を駆使して爆弾を作る展開も胡散臭いし、訛った話し方も英国紳士の007とは大違い。今まで発揮できなかったお笑いのセンスを全放出する怪演だ。もちろん立っているだけでそこはかとない面白さがあるアダム・ドライバーも要所要所で笑いを誘うナイスなサポートぶりを披露。惜しむらくはチャニング・テイタムで、もっと弾けて欲しかった。

●BEST女優
ガル・ガドット(『ワンダーウーマン』『ジャスティス・リーグ』)
世界中の少女たちに自立心を持ち、自ら戦いに身を投じることの大切さなどを伝える映画界の最強ヒロイン。キュッと上がった口角のハッピー顔が好みだし、セクハラ野郎ブレット・ラトナー排除を目指す闘魂に座布団10枚!

●BEST男優
エディ・ポン(『コール・オブ・ヒーローズ』) 
実は今年、4本も日本公開作があったエディ。ハリウッド進出作『グレートウォール』では見せ場ゼロだったけど、武侠もののこちらでは肉体をしっかりと作り込んでのアクション演技が冴えた。大先輩ウー・ジンにも負けてなかったしね。

  • 山縣みどり/今年は台湾に3回しか行けなかったので、自宅で台湾料理作りに精を出す日々。ウー・ウェン先生のレシピは最高です! 次の台北行きではアカデミー賞外国語映画賞にエントリーしたウー・ズン監督&主演作『戦狼2』DVDをゲットするのだ!

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